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[社説]北朝鮮商船の「力ずく」の領海侵犯

[社説]北朝鮮商船の「力ずく」の領海侵犯

Posted June. 03, 2001 12:48,   

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朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の商船3隻が2日昼から3日にかけて、韓国海軍の制止にもかかわらず韓国領海の済州(チェジュ)海峡を通過したことは、まさに南北関係を害する挑発的行動と言わざるを得ない。済州海峡が国際航路として利用されており、また国際法が無害通航原則を規定しているとは言え、北朝鮮側の今回の行動は受け入れがたい。

いまだ休戦状態にある韓国は、これまで北朝鮮船舶の済州海峡通過を禁止してきた。北朝鮮船舶が商船であり、有害な行為は行なっていないとは言え、韓国としては南北関係の特殊性と安保問題を考えずにはいられないのが実状だ。

国際法でも、軍艦や沿岸国に有害行為を取る可能性の船舶に対しては、無害通航権を認めていない。よって、北朝鮮船舶がこの海峡に接近する場合、国連軍司令部の交戦規則に従って速やかに通信検問を実施し、その船舶を公海上へ誘導する措置をとることになっている。

にもかかわらず韓国海軍は、南北関係の諸事情を考慮して、物理的な強制力を動員しなかったとされる。北朝鮮商船は、韓国海軍がP3C哨戒機や哨戒艦、警備艦などを出動させ監視活動を繰り広げて領海外に誘導すると「済州海峡は国際航路だ」「上部の指示通り済州海峡を通過しなければならない」として、航海を強行したという。今回のことを前例に、済州海峡の通過を既成事実化しようとする北朝鮮側の思惑は火を見るより明らかだ。

北朝鮮船舶が済州島南方の海を迂回して東海や西海、または日本に向かうよりも、済州海峡を通過すれば、時間と経費の面で大いに節約できることは間違いない。北朝鮮がそのような経済的な考慮から船舶の済州海峡通過を主張するのなら、正式に韓国側に事情を説明して協議を申し出るべきだ。韓国側も韓国の船舶が北朝鮮の南浦(ナムポ)や 金剛山(クムガンサン)観光航路である高城(コソン)港に入港するために、北朝鮮当局と交渉を重ねてきた経緯がある。

北朝鮮船舶は、盛漁期を迎えここ1週間だけでも西海の北防限界線(NLL)を4度にわたって侵犯した。今度は、済州海峡をも「勝手に」出入りしようとしているのだ。南北対話は封鎖したまま挑発的な行動に出る北朝鮮の「力ずく」の態度を、いつまで座視していなければならないのか、歯がゆいしだいだ。

何よりも北朝鮮側が南北対話のテーブルにつくことが先決だが、韓国政府も北朝鮮側の原則に反する行動に対しては断固たる対応を示すべきだ。