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[記者の目]企業モラルは生存問題

Posted June. 04, 2001 11:21,   

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「政府や国家公務員を相手にする場合でも『倫理規定通りにするよう』指示することは難しいです」。倫理綱領と実践指針を作成して、実生活の中に取り組むことに力を入れているある企業の最高経営責任者(CEO)がプライベートの席で漏らした話だ。社員や協力会社のモラル水準を高くして、他の企業より厳しくすることはできるが、「政治、社会的な外部環境」という壁にぶつかるとどうしようもないという説明だった。

本紙が毎週火曜日に連載した「企業モラルが競争力だ」と題したシリーズを取材しながら、一国の政治、社会的な水準がその国の「企業モラル水準」を決めるという事実を確認することができた。米国の3M社の企業モラル担当取締役は、企業モラルを強調する理由について「ビジネスのために」という一言で説明した。非倫理的な企業活動で市場で烙印を押されれば、米国内でのビジネスは諦めるほかない。3M社の倫理綱領の中で贈り物に関する厳しい項目は、米国政府の厳格な規定に基づいて作られたものだった。社会と政府の高い倫理水準が企業の倫理水準をリードしているわけだ。

だからといって世界でも高いレベルのモラルを保っている企業が必ずしも最初から倫理的だったわけではない。第3世界の割安の未成年者の労働力で衣服を作って利益を得ていたところ、人権団体の抗議が強まり、方向を180度変えて米国内の労働水準を全世界の事業所に厳しく適用することにしたメーカー。アフリカの途上国に粉ミルクを販売したが、あまりに薄くして飲ませた結果、栄養失調になった子供たちが続出して問題になると「母乳を飲ませるキャンペーン」で突破口を見出した食品メーカーなどがその例だ。

これらの企業の共通点は成長の限界にぶつかった時、解決の「モラル」から手がかりをつかんだという点だ。最近政府の規制改革緩和措置に対して、財界では「経営の透明性を高めるために企業モラルを本格的に高めていきたい」という決議で応じた。

最低レベルの経営の透明性のために市場から信頼を失った韓国の企業が、世界トップレベルのモラルを保った企業が発見したその「答え」を見つけたならば、希望はある。仮にも、規制改革緩和措置を約束した政府に対する一過性のリップサービスに終わるならば、韓国企業が進むべき道のりはまだまだ険しいと言えるだろう。



朴重鍱 sanjuck@donga.com