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北朝鮮商船、今度はNLLを通過

Posted June. 04, 2001 11:20,   

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韓国の南海岸領海を無断で侵犯し済州(チェジュ)海峡を通過した朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の商船、清津(チョンジン)第2号(1万3000トン級)が4日午前11時5分頃、韓国西海(ソヘ)の延坪島(ヨンピョンド)付近の北方限界線(NLL)を通過し北朝鮮側地域の海州(ヘジュ)に戻った。これをめぐって韓国軍内部はもちろん与野党の間で議論が広がっている。

また、北朝鮮商船1隻が同日午後3時15分頃、南海の小黒山島(ソフクサンド)西方20キロの海上で韓国領海を侵犯し、済州海峡に向かって移動したため海洋警察の警備艇と海軍の高速艇が出動した。

合同参謀本部(合参)は、「清津第2号は同日午前5時10分頃、西海の小青島(ソチョンド)西南方海上の80キロくらいの地点から北朝鮮側地域の海州に向かって迂回した後、11時5分頃には白リョン島(ベクリョンド)と延坪島の間のNLLを通過して午後2時頃、北朝鮮側地域の海州に入港した」と説明した。北朝鮮船舶が西海海上から北方に航海しNLLを超えたのは今回が初めて。これまで北朝鮮船舶は白リョン島北方のNLLを迂回する航路を利用してきた。

この日、清津第2号がNLL南端の西海上から北朝鮮の方に迂回すると、2—3キロ離れて監視していた韓国海軍艦艇は「白リョン島の外側へ迂回するように」と警告したが、清津第2号はこれを無視した。

これに対し国防部高官は、「3日午後に開かれた国家安全保障会議(NSC)常任委員会で昨年6月15日の南北共同宣言を尊重するレベルから、北朝鮮商船の最短距離通過を認めたため(北朝鮮商船のNLL通過を)黙認した」と説明した。

政府は、今後も北朝鮮側から事前の通知や許可の要請がある場合は北朝鮮商船のNLL通過を事案別に許可する方針を固めており、議論を呼ぶものと見られる。政府筋は「NSC常任委員会で、今後北朝鮮が民間船舶の航海と関連して事前の通知や許可を要請してくる場合、事案によってNLL通過を許可する問題を政府レベルで検討できる、ということで意見をまとめた」と伝えた。

しかし、こうした方針は、これまで海上軍事境界ラインとしてNLLを固守してきた軍の立場と真っ向から対立するものであるうえ、同日北朝鮮商船が通過した航路は99年に北朝鮮が一方的に宣布した「海上境界ライン」とも一致していることから、NSCの決定と論議過程などについて軍の一部から反論が出ている。

野党ハンナラ党の朴世煥(パク・セファン)議員も同日、国会の国防委員会で「軍当局は交戦規則に基づいて北朝鮮船舶を停船させた後、軍要員らを乗船させて調査するなどの措置を取るべきだった」と主張した。

与党民主党の柳三男(ユ・サンナム)議員も「軍事的な変化が全く見られない状態で、重大な挑発行為である領海侵犯を政治的論理から簡単に対応したのは安保上の武装解除と同然だ」として非難した。

金東信(キム・ドンシン)国防部長官は、国会での答弁で「北朝鮮商船に比べて韓国側の哨戒艇などが小さいため、武力を使わずには停船させることができなかった」とし、「単なる軍事的状況ではなく政治的・外交的に絡み合った複雑な状況だと判断し、全ての態勢は整えるものの国防長官の承認を受けるように、と指示した」と語った。

金長官は、また「再発する場合は強力に対処する考えであり、交戦規則などを考慮した必要な措置を検討している」と述べた。



李哲熙 klimt@donga.com