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[社説]治水政策10年の空白

Posted June. 05, 2001 11:44,   

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長引く干ばつで一部の中部地方ではひどい食用水不足事態が発生しており、農作物への被害はもちろん、工業用水が足りない事態まで生じている。

韓国は、年度別・季節別に降水量の偏差が大きいうえ、干ばつと洪水が交互に訪れるため、治水、即ち水資源の管理が何よりも大切になる。年間降水量は世界平均の1.3倍だが、高い人口密度のせいで一人当たり水資源の天然存在量は世界平均の11%に過ぎないという理由から、国連は韓国を水不足国家に分類している。

のみならず年間降水量の3分の2が夏場に集中する気候上の特性もあって、降水量の殆どは河川を通して海に流れてしまう。雨の多い夏場に水を貯蔵しておかないと、年間を通じて家庭や田畑、工場に水を供給することは困難になる。92年以降、長興(チャンフン)の耽津(タムジン)ダムを除いては新たに工事に着手した多目的ダムがないほどだから、水不足国家としては過去10年間の治水政策は空白状態だったと言っても過言ではない。

環境団体は、水辺環境生態系の変化をもたらすダムを建設するよりは、水の価格を引き上げて国民の水節約を誘導し、水道管の漏水防止などを通して水不足問題を解決すべきだと主張する。地域の住民たちは、ダムの建設以来発生する霧による農作物の生育障害を憂慮する。

環境団体が強調している需要面での水管理は極めて重要である。但し、それだけでは限界があり、年中降水量の偏差が激しい韓国のような国では供給面での安定した水資源の確保が欠かせない。水は暮らしの質と直結したもので、国民所得の水準が高くなるほど使用量が増加する傾向を見せている。

人口2000万人が集中している首都圏は八堂(パルダン)湖に依存しているが、2006年頃からは水不足が予想される。これに備えて推進されていた東江(ドンガン)ダムの建設が環境団体の反対で取り止めになって以来、政府はこれといった対策を打ち出せずにいる。

韓国第二の都市、釜山(プサン)は洛東江(ナクトンガン)の下流で取水をしているため、もし上流で汚染事が起きると直ぐ取水中断になり、干ばつの時は水質が極度に悪化する。良好な水質の取水源を安定的に確保することが急務であるが、陜川(ハプチョン)ダムの建設は地域住民たちの反対にぶつかって一歩の進捗も見せていない状態だ。

生態系への影響を減らす技術を開発し、地域の住民に利益を与えられる方策を模索することは政府に任せられた宿題である。今月中に建設交通部が打ち出す予定の水資源長期総合対策と下半期に発表することになっているダム建設長期計画に注目したい。