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ソウル大学、基礎学問分野教授の退職増える

ソウル大学、基礎学問分野教授の退職増える

Posted June. 11, 2001 10:16,   

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「犠牲とハングリー精神だけが強制されるソウル大学の教授職に、これ以上未練はありません。学者本来の役目に戻るためにソウル大学を辞めるつもりです」。

ソウル大学数理科学部の姜錫真(カン・ソクジン)教授は今月の末、高等科学院に移る予定だ。彼は99年、ファン・ジュンムク教授(数学科)とイ・キミョン教授(物理学科)に次いで、ソウル大学から高等科学院に移籍した三番目の教授になる。

姜教授は、8年目の副教授として「若き科学者賞」(99年)を受賞するほど未来が嘱望されていただけに、彼の離職は、同大学の他の教授たちにはショックな出来事といえる。

姜教授は、自分のホームページ(http://www.math.snu.ac.kr/〜sjkang)の掲示板に載せた「残すところあとわずか」という題の文章の中で「ソウル大学の数学科で(支援は殆どないにも拘らず)これだけでもやっているのは奇跡」としながら、「諸君も優秀な先生の下で充実した教育を受けたいと思うなら、それ相応の熱意と礼儀を身につけるべき」だととなえた。

ソウル大学の教授らが、基礎学問を冷遇しているとして集団で反発の動きを見せている中、基礎学問分野の教授たちが、より良い環境を求めて大学をあとにしている。

▲退職する教授〓98年から4年間、自らの意思でソウル大を離れた教授19人のうち、人文・社会・自然大学の教授が8人で、42%を占めている。昨年現在、1483人のソウル大教授のうち、これら単科大学の教授が439人(29.6%)に過ぎないということを踏まえれば、基礎学問分野教授の離職率が相対的に高くなっている。「頭脳韓国(BK)21」事業が始まった99年、ソウル大をあとにした7人の教授のうち5人が人文・社会・自然大学の教授で占めていたほどだ。

自然学部のある助教授は、「新規採用された若い教授の殆どが、あまりにも劣悪な研究環境に失望している」として、「研究環境が改善されなければ離職するつもりだ」と話した。

高等科学院に移ったイ・キミョン教授(物理学部)は、「ソウル大と比べて、講義や行政業務などに対する負担が少ないうえ、経済的にも余裕があるため研究に打ち込むことができる」と話した。イ教授は、ソウル大学に在職していた頃、1年間に平均して6本の論文を書いていたが、高等科学院に移ってからは、年間平均7本の論文を発表している。

ソウル大教授の年俸は、私立大学の60〜70%程度。教授歴8年目になる姜副教授の昨年年俸はおよそ3300万ウォン。さらに、基礎学問分野は応用学問と違って、政府や学校側の積極的な支援がなければ、ほかに研究費を調達しようがないうえ、外部から研究依頼を受けることも容易ではない。

▲海外の優秀な人材からも見捨てられる〓海外の優秀な人材もソウル大を拒んでいる。

昨年、自然大学の生命科学部は、イギリスで教授として在職している朴教授を採用しようとしたが、同教授は劣悪な研究環境を理由に採用を拒否した。99年に生命科学部でもある教授を招聘しようと試みたが、同じ理由で断られた。生命科学部のある教授は「基礎学問分野は、外国の名門大学はおろか、国内の私立大学とも競争できないほどに施設や器材などが後れている」と嘆いた。

▲基礎学問の研究に蹉跌〓ソウル大学の人材管理に狂いが生じたことで、基礎学問の研究に空白が懸念されている。自然学部の朴聖鍱(パク・ソンヒョン)学長は、「教授の志気は益々低下する一方で、優秀な人材の確保もままならず、長期的に基礎科学の研究に狂いが生じる恐れがある」と語った。

高等科学院の明孝迵(ミョン・ヒョチョル)教授部長は「外国の大学は、競って優秀な人材を誘致しながら発展している」と話した。



parky@donga.com