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[社説]「長官職をかけた」とは嘘だったのか?

[社説]「長官職をかけた」とは嘘だったのか?

Posted June. 15, 2001 10:53,   

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13日に続き14日夜にも北朝鮮の船舶が、東海の北方限界線(NLL)を侵犯するという事態が発生した。今月に入って7度目だ。

金東信(キム・ドンシン)国防部長官は、一週間前に国会で「今後、北朝鮮商船による領海やNLLの侵犯が発生した場合、長官職をかけて武力行使などをもってでも強く対応する」と明らかにした。しかし13日夜、北朝鮮商船、南浦(ナンポ)2号が再びNLLを侵犯し、金長官は空言を吐いた形となった。

金長官は14日にも、「(北朝鮮の商船が)また領海を侵犯し場合には、威嚇射撃を行なう方針」だとしたが、同日夜、北朝鮮の貨物船南浦号がNLLを侵犯したときも別段の対応を取らず、空言となってしまった。 国防長官の相次ぐ空言は、軍の士気を低下させ、国民の安保への不信をも助長するだけだ。

南浦2号が、13日夜から東海のNLLの南方5マイルの線に沿って20時間も航海したことについて、合同参謀本部は△南浦2号が韓国海軍の通信検索に即時に応答し△東方に航路を修正してNLLの最南(218マイル)まで進んだ後、南下したという点などを挙げ、韓国軍の要求に素直に応じたと説明した。しかし、そもそも金長官の約束通りなら、韓国海軍はこの船をNLLの北方に追い返さなければならなかった。

さらに、南浦2号がNLLを侵犯した海域は、江原道(カンウォンド)チョジン港の東方35マイルの地点だ。国防部は、「韓国海軍の作戦能力と北朝鮮軍の活動などを考慮し、(NLLを)南北の海軍艦艇が対峙する接敵水域とその他の公海上の海域に分けている」しているが、東方35マイルの地点は、まさにその「接敵水域」に当たる。韓国軍は、敏感な接敵水域を「侵犯」した北朝鮮の船を韓国側の要求に素直に応じたとして放置したことになる。

一部の学者は、NLLが国際法上、何の根拠もなく、国連軍司令部が任意に引いたラインであるため、北朝鮮船舶のNLL通過は単なる「越線」だと主張している。しかしNLLは、これまでの約40年間、南北における事実上の海上境界線の役割を果たしてきたラインだ。これまで韓国軍が命をかけて守ってきたNLLを自ら放棄するような韓国政府の姿勢は、到底納得できない。

このような背景から、南北の間に何らかの「密約」があったのではないかとの疑問が提起されるのだ。

南北関係が多少改善されたとしても、安保をめぐる確かな保証が確保されるまでは、守るべきことは守らなければならない。太陽政策と安保を混同しては困る。