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マルクスがよみがえる

Posted June. 15, 2001 20:46,   

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マルクス主義に関連する書籍が次々と出版されている。カール・マルクスの博士論文「デモクリトスとエピクロス自然哲学の違い」(グリンビ)、レオン・トロツキーの「反ファシズム闘争」(プルムジル)、トロツキーの自伝「わが生涯」(ボンウ社)、ローザ・ルクセンブルクの書簡集と評伝を一冊にまとめた「自由な霊魂ローザ・ルクセンブルク」(イェダム)…。マルクス主義は、1990年を前後して社会主義政権の崩壊以後関心が薄れていたが、最近韓国の読者が再び目を向けはじめたことを反映した現象だ。

このほか、フランシス・ウィンの「マルクス評伝」(プルンスップ)、ロマン・ロスドルスキの「マルクスの資本論の成立」(べギ)などが出版を控えており、全7冊のシリーズで計画されたトロツキの「ロシア革命史」(プルムジル)も、間もなく第1巻から出版される予定。

近刊のマルクス主義関連書籍を見ると、マルクス主義に対する関心は大きく二つの方向に分けられる。一つは、己の理想を実現するために生涯を捧げた人物の人生に対する「同情」的関心である。こうした現象は、2000年の初めに出版され話題となったジャン・コルミエの「チェ・ゲバラ評伝」(実践文学社)から本格化した。この本は、これまでのおよそ1年間で6万冊余りが販売され、現在も毎月2000〜3000冊の売行きを見せている。

このような読者の関心は、何もマルクス主義という思想に限ったことではない。資本主義社会のめまぐるしい日常に追われ、カネのためにあくせくと働く人々にとって、己の理想のために生涯をかけた人物の人生は、大変魅力的に映るはず。

昨年出版されたポール・プリリヒの「ロザ・ルクセンブルクの生涯と思想」(チェカルピ)も、版を重ねながら着実に売行きを伸ばしており、今回出版されたトロツキの自伝は幾つもの出版社が目を着けていたところ、ボンウ社が口火を切って第1巻を出している。

もう一つの関心は、新自由主義的資本主義の問題点が露呈するにつれ、これに対する代案探しの一環としてマルクス主義を見直そうというのである。昨年5月に出版されたマルクスの「政治経済学の批判要綱」(全3巻・べギ)が、その「知的な重み」にも関らず1000部を超える売行きを見せているのは、出版界でも意外なこととして受止めている。これは、その理由を単にマルクス主義に対するノスタルジアだけだとは考え難い。

同じような時期に発刊されたサイモン・クラークなどの「レーニンについて語るべからず」(イフ)や、最近出版されたアレックス・ケリニコスの「労働者階級にさよならを告げる時か」(チェカルピ)などは、新自由主義時代におけるマルクス主義に対する見直しを積極的に提案した本といえる。

これに対し、マルクスの博士論文を翻訳したコ・ビョンゴンさん(高麗大学労働問題研究所研究員)は、「マルクス主義を正視することさえ困難だった1980年代とは違って、もはや自由な立場でマルクスを眺める事ができるという観点から、今こそマルクスを正しく読める時期」だと語る。

ところが、べギ出版社で編集に携るシン・ヒヨンさんのように「社会運動に関った人々が、継続して批判社会理論に関心を寄せてはいるものの、当面の間マルクス主義の拡散はないはず」という見方も少なくない。

ジル・ドゥルーズやジャック・デリダのようなフランスのポストモダニストらが、1990年代に入って以来マルクスに戻る事を力説してきたという点に鑑みる時、一群の知識人集団を成した韓国のポストモダニストらが、マルクス主義についてどのような態度を取るのか注目される。



金炯瓚 khc@donga.com