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[社説]マネーロンダリング防止法に反対する政治家の思惑

[社説]マネーロンダリング防止法に反対する政治家の思惑

Posted June. 20, 2001 11:34,   

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国会議員が政治資金の出所が明らかになることを恐れ、数年間漂流していたマネーロンダリング(資金洗浄)防止法の立法が遅れている。与野党の間で一時は「疑わしい」妥協案が打ち出され、それが再び覆されて、いまは振り出しに戻っている。18日、与野党の院内総務など9人の小委が「法案から政治資金を除外するが、口座追跡は制限なしに認める」ことで暫定合意したが、19日ハンナラ党が「口座追跡だけは認められない」とし、これを党の方針として固めている。

民主党は20日、「政治資金も含め、当局に口座追跡権も与える」とする党の方針を確定し、野党との妥協を試みて決裂する場合、28日に賛否を問う投票を行って処理する方針を発表した。しかし、民主党も批判を免れられない。これまで、政治資金をマネーロンダリング防止法から除外するために党内の論議が二転三転していたし、今回も「ハンナラ党側が政治資金を含めることに断固として反対している」ことを理由に、これに便乗しようとしていたからだ。

政治資金を除外すると、当然、「後ろめたい」カネを合法的な政治後援金に見せかけたり、隠す場合、処罰が難しくなる。これまで、幾多の政治資金関連の捜査がマネーロンダリングに利用された口座を完全に追跡できず、うやむやに終わってしまった。

ハンナラ党は20日、政治資金を含めるが、この法に従って設置される金融情報分析院(FIU)による政治資金の口座追跡を認めないよう主張している。野党の資金源に対する裏調査と弾圧が懸念されるというのがその主な理由だ。ハンナラ党の議員総会で出た「来年の大統領選挙を控え、資金源が閉ざされることを事前に防ぐためにも口座追跡だけは認められない」との発言も、報道されたことがある。

しかし、このような発想は世論の非難を避け難い。まず、組織犯罪や麻薬犯罪者の処罰のためにもマネーロンダリングを洗い出す必要があり、法の制定に踏み切ろうとしているわけだが、その犯罪防止に欠かせない口座追跡権限を政治資金のために封じ込めようとする姿勢を国民が許すはずがない。

現在、米国など50カ国余りのFIUが不正金融取り引きに国際的な協力体制を備え、口座追跡に乗り出している。口座追跡ができないと、金融機関が法にそぐわない金融取引をつかんでもFIUが口座追跡に乗り出せないため、「後ろめたい」カネの実体を確認さえできないのだ。

政界が真に後ろめたいカネと決別する気があるのなら、時代と国民の要請に応えるためにも政治的な思惑を捨てなければならない。