「購入してから1ヵ月も経っていない車が安全上重大な欠点があるとは。ちょっとひどすぎませんか」。「リコールが何なのかよく分かりませんが、世界屈指の自動車メーカーを目指している会社の製品に問題があるなんて、とんでもないですよ」。
最近市販中の乗用車「ラビタ」に欠陥が発見され、自発的にリコール(制作欠陥是正)を実施すると報道されてから、新聞社には読者からの抗議の電話が殺到した。
現代(ヒョンデ)自動車は、この車両のエンジンの重さを支える部品の強度が弱くて「壊れる恐れがある」ということを理由に、生産された3000台余りの車を無償で修理することにした。
今は騒ぎが少し収まったが、最近まで韓国のドライバーは、「急発進」の恐怖に脅えていた。エンジンを駆けたらドライバーの意志とは関係なく車がいきなり「突進する」といった事故が頻発し、運転していた人の命までも脅威にさらされるなど、社会問題にまでなっていたのがつい最近のことである。
「リコールの亡霊」は、これだけではない。
わずか一ヵ月前に某自動車メーカーのミニバス「プレジオ」と貨物車「フロンティア」の一部の車両からも欠陥が発見され、リコールを実施したことがある。リコールの理由は、エアコン調節スイッチの耐久性が弱く、5時間以上稼動すればスイッチの線が切れて作動が中断される可能性があるということだ。また、最近、「ソナタ」と「クレドス」などの中型乗用車がエアコン抗菌フィルターも付けないまま市販されているという指摘もあった。
このようなリコール現象は、上記の車種に限った問題ではない。他の国産自動車メーカーのリコール事例はいくらでもある。
自動車メーカーは、「お客様が主人」といつも強調しているが、「製品の選択」から「アフターサービス」までの主導権を生産者が握っているという現実に、消費者は「気力をなくしてしまう」と言う。
一年前に買った車が直ぐ壊れ3ヵ月間苦労したという一人の消費者は、「一体韓国の自動車消費者はいつまでメーカーに振り回されなければならないのでしょうか」と抗議したのもこのような理由からだ。
自動車メーカーが、消費者のこのような不満に対して、今回は耳を傾けてくれることを願う限りだ。
daviskim@donga.com