政府は、韓国の主な輸出対象国の米国、日本、中国、欧州連合(EU)などで保護主義政策が強まっていることから、通商摩擦を縮小するための対策作りを急いでいる。
政府は国別の異なった状況を考慮し、項目別に柔軟に対応していくことを原則とし、国際基準に相反する措置に対しては、世界貿易機構(WTO)に提訴するなど、真っ向から問題解決に取り組む方針だ。
韓国は、輸出が国内総生産(GDP)に占める比重が30%を上回っており、通商摩擦の影響で輸出が減少する場合、国内景気や雇用などにも大きな打撃を受ける経済構造になっている。
張在植(チャン・ジェシキ)産業資源部(産資部)長官は25日、「韓国は通商懸案を解決する過程で、交渉の進捗状況を見極めながら歩調を合わせていかなければならない」とし、「しかし、韓国の利害と密接に絡んでいる分野については、二国間交渉で決着を付けなければならない」と述べた。
李錫瑛(イ・ソクヨン)産資部次官補は、「通商摩擦は先進国の景気の状況に連動する特性があり、鉄鋼などの一部品目は需要より供給が過剰しているのが一番の原因となっている」とし、「韓国は世界輸出市場で占める比重が2%に過ぎないため、主導的に国際通商懸案を解決するには難しい立場に置かれている」と述べた。
通商問題に対する交渉権は外交通商部の通商交渉本部が指揮を執り、企業問題は産資部、農業問題は農林部、経済政策と税制問題は財政経済部が担当している。このため一部では、中国とのニンニク紛争でも明らかになったように、省庁間の利害が複雑に絡み合っているため、内部の調整が困難となり、韓国が不利な状況に追い込まれる結果を招く原因となっているとも指摘されている。
三星(サムスン)経済研究所の金京源(キム・キョンウォン)海外経済室長は、「韓国が米国と中国という利害が異なる両大国の間に挟まれ『明確な立場を表明して欲しい』と強いられるジレンマに陥る可能性もある」とし、「従って、米国と中国の間で外交的に繊細かつ巧みに対応すべきだ」と主張した。
金相哲 sckim007@donga.com