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韓国人の「ゲノム地図」草案が完成

Posted June. 26, 2001 20:51,   

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韓国人のゲノム地図の草案が国内で初めて完成したことを受け、ゲノム情報を用いた疾患の研究に画期的な転機が設けられる一方、「個人別の特性に合せて医薬品を処方する時代」も繰り上げられる見込みだ。

▲草案完成の意味〓今回の草案は、ゲノムの「物理地図」に当る。物理地図は、バクテリアに染色体の断片を組込んだ「BAC」の組合せを意味する。ヒトのゲノムは、あまりにも膨大なため、一気に塩基配列の解析に取掛かることができない。

そのため、ゲノムの塩基配列解析は先ず、機能が判明している遺伝子を一種の目印にして遺伝子地図を作った後、遺伝子を含んだ10万塩基対くらいの大きさに切断した染色体の断片を24のヒト染色体上にある実際の位置に沿って位置決めしていく、物理地図を作ることから始まる。

この物理地図は、様々な遺伝子を分離するのに用いられ、とりわけ重要な遺伝子が関連したゲノム部位の構造を研究するための塩基配列解析および、全体塩基配列を解析する上で基本的な青写真となる。

マイクロゼン社のソ・ジョンソン社長は「現在マイクロゼンが保有している設備と人材で、8ヵ月以内にBACの全ての塩基配列を解析することができる」と語った。

▲どのようにして作られたのか〓マイクロゼンは、米国などで発表されたヒトゲノムの研究成果を充分活用して、草案作りに掛かる時間と費用を大きく削減した。

米バイオテクノロジー分野のベンチャー企業セレラ・ジェノミクス社は、ヒトゲノムを無作為に切取って塩基配列を解析する、いわゆるショットガン(shot gun)方式を使っているが、マイクロゼン社もこれを取入れ、ゲノム断片の塩基配列解析に用いた。ゲノム断片の塩基配列は、再び多国籍ヒトゲノムプロジェクトチームによる全体ヒトゲノム塩基配列地図と比較し、これらの断片の実際の位置を確認したという。

▲どのように活用されるのか〓これまでヒトのゲノム塩基配列解析結果、同じ疾患でも個人によって塩基対が数個違うだけで、疾患遺伝子の発生形態が異なるという事実が明らかになった。また、個人別の差は、人種や民族によって類似しているという。喘息遺伝子の場合、西欧人とアジア人の個人別差が5倍にのぼった。

マイクロゼンが、韓国人のゲノム地図草案作成の次の課題として、韓国人に多い癌や高血圧、糖尿、喘息、骨粗鬆症、関節炎、免疫疾患など、7つの疾患に対する遺伝子解析と個人別1塩基遺伝子多型性(SNP)データベースづくりに乗りだしたのもこのため。

マイクロゼンは、20代の韓国人男性のゲノムから、すでに知られている1500個の疾患遺伝子の塩基配列解析を終え、これを基に個人別差を解析する予定。

さらに、電子が含まれた染色体断片の「バクテリア人工染色体(bacterial artificial chromosome)」を、国内の研究者に提供することで、機能が明らかにされていない疾患遺伝子の探索および解析も可能になる見通しだ。現在、国内では科学技術部の支援により、韓国人の胃がんと肝臓がん遺伝子を探す研究が進められている。



李永完 puset@donga.com