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女権の現住所(2)=子育てが足かせとなり・・・「毎日、退職ばかり考えている」

女権の現住所(2)=子育てが足かせとなり・・・「毎日、退職ばかり考えている」

Posted July. 02, 2001 19:55,   

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「子供が一人の時はなんとかやって来られましたが、二人目の子どもができると、もうこれは正常な生活とは言えないような状態になりました」。

A航空会社の金(キム、38、女)某課長。8歳と3歳の二児を持つ共働きの主婦だ。会社で有能だと評価されている金さんは社会生活を続けたいと思っているが、「二人目の子どもを産んでからは毎日退職ばかりを考えている」と打ち明けた。夫婦両方とも実家が地方なために子育ての手助けをまったく受けられない彼女は最近、上の子供は小学校に、下の子供は私設の託児所に預けている。

しかし、託児所から子供を連れてくる時間に会社を出られないことが日常茶飯事。小学校1年生の上の子が託児所から弟を連れて帰り、両親が家に帰ってくるまで待っている。

▲20〜35歳の女性、経済活動率激減〓「仕事と家庭の両立」は、働く女性の大半が夢見ている。だが、現実はシビアだ。出産と子育ての負担の中で危なげに綱渡りでもするかのような毎日を送っている場合が少なくない。

5月に発表された統計庁の社会統計調査によると、女性就職の障害要因として子育ての負担(29.3%)を挙げた女性がもっとも多かった。その次が社会的な偏見と差別的な慣行および制度(28.2%)。

出産と子育ての負担が韓国女性らにどれほど影響を及ぼしているのかは、世界女性らの経済活動率を年齢別に比較すればわかる。韓国の場合、20〜35歳に経済活動率が激減する「Mカーブ」現象が著しく見られる。出産と子育てが集中する時期だ。女性らは結婚および育児の負担のために職場を離れたり、職場からそっぽを向かれる。もちろん、子育てや自己実現の価値観によって、自ら進んで家庭を省みる場合も多い。

▲関連法は先進国並み〓母性保護と育児に対する社会的な支援を保証する法は、△憲法(母性保護)△男女雇用平等法(育児休業、職場の保育施設)△嬰・乳児保育法(保育施設)△国家公務員法(育児休業、家族看護休職)△労働基準法(出産休暇、授乳時間、生理休暇)などだ。国家公務員の規定にも、女性公務員の出産休暇、保健休暇、妊娠中の検診休暇、育児時間などが保証されている。最近、国会の環境労働委員会を通過した母性保護関連法が施行されれば、育児休業の際に給料の一部を受け取ることができるようになる。

▲現実的な難点〓韓国女性開発院のキム・エルリム主席研究委員は、「法規遵守実態に関する調査統計もない実状」だとしながら、「地方公務員の場合は代替人材の人手不足で、現行の育児休業60日を全部休めないような場合も少なくない」と指摘した。

昨年6月末現在、託児所や保育所はおよそ2万ヵ所と推算される。嬰・育児保育法などによって全国的に多くの託児施設が設けられたが、実質的には働く女性たちにとってそんなにためにはなっていない。

数日前に保健社会研究院が発刊した、「嬰・育児保育サービス実態分析と総合対策樹立に関する研究」でも、託児施設と保育所の利用者51.8%が仕事を持たない専業主婦であることがわかった。従業員300人以上の事業場では職場内の保育施設設立が義務化されているが、昨年の調査ではこの法規を履行していう会社はわずか222社(7530人)だけ。

育児休業制度を利用する働く女性もまれだ。労働部によると、昨年育児休業奨励金(1人当たり15万ウォン。今年は20万ウォン)を受けた会社は401社(従業員5人以上の事業場31万7266社の0.1%)に過ぎない。対象となった人数はわずか2226人。

▲女性人材の活用が国家競争力〓女性の経済活動参加は、社会発展のためにも必要だという意見が最近多く提起されている。世界的なコンサルティング会社であるマッキンジー研究所は最近、経済協力開発機構(OECD)の加盟国のうち、最下位の水準にとどまっている韓国の大卒以上の女性の経済活動参加率(54%)を90%台に引き上げる努力が韓国経済の将来を左右するという研究結果を発表した。

同研究所の調査によると、2010年韓国が先進国水準に到達するためには向こう10年間サービス業と知識産業などの分野で300万の働き場を新たに設けなければならない。このうち大卒以上の人材で埋めなければならない専門職が120万だが、現在の人材輩出構造上、男性人材をぜんぶ新たな専門職に充てても人手不足は必至だ。この埋め合わせを大卒者の女性がしなければならない、としている。

▲社会的な支援が切実〓女性団体連合の池銀姫(ジ・ウンヒ)代表は、「教育を受けた女性人材を埋もれさせ、男性だけを活用する韓国が、動員可能なすべての人材を効率的に活用する先進国と競争するとすれば、勝敗は決まったも当然だ」と語った。

大韓女性民友会の鄭康子(チョン・カンジャ)代表は、「母性保護や働く女性に対する社会的な支援は単純に女性の問題ではない」とし、「今後改正される母性保護関連法が現場で正しく施行されるよう、順次その費用の社会負担を拡大していくべきだ」と述べた。



徐永娥 sya@donga.com