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[社説]黄長鎏氏を米国に行かせよう

Posted July. 05, 2001 10:00,   

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1997年2月に韓国に亡命した元朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)労働党書記、黄長鎏(ファン・ジャンヨップ)氏の訪米問題が議論を呼んでいるが、我々は一言で言えば、黄氏の訪米を本人の希望通りにさせるべきだと思う。黄氏本人も訪米を望んでいるが、黄氏を招請した米議会も身辺安全に対する明確な言質を与えているだけに、これ以上訪米を反対する名分がない。

政府は、米政府が黄氏の身辺安全を保障しない限り、訪米は困難だとしている。しかし、政府のこうした立場表明は、黄氏の身辺安全問題よりは、北朝鮮に関する証言が米国の朝野と南北関係に及ぼしかねない波紋を懸念したためと思われる。黄氏の訪米が、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の答礼訪問にマイナスの影響を与えるとして、金総書記のソウル訪問以前には絶対に黄氏の出国を許すはずがない、という話も聞かれる。

政府の考えがそうであれば、それはあまりにも近視眼的な判断だと言わざるを得ない。黄氏が米議会に出席して北朝鮮の実像を詳しく証言し、その証言によって米国内の対北朝鮮強硬論者がさらに気勢を上げることもあり得る。また、米朝関係と南北関係にいくらか摩擦音が生じることも考えられる。しかし、我々は、もっと遠い将来のことを考えるとき、それが韓半島の周辺情勢において否定的な面よりは、むしろ肯定的な影響を及ぼすと見ている。

米議会での黄氏の証言は、国際社会が北朝鮮の実像により接近できる機会を与えるとともに、北朝鮮と結んでいる二国関係や多者間関係を健全に維持できる判断資料を提供するに違いない。国際社会が、黄氏の証言に注目しているのもこうした理由からだ。さし当たって北朝鮮の機嫌を損ねるからと言って、黄氏の証言を封じようとすれば国際社会は我々をどう見るだろうか。

すでに99年4月にも北朝鮮からの脱出者3人が米上院聴聞会に出席し、北朝鮮の人権の実態について証言したことがある。政府が今になって、黄氏に対する米政府の身辺安全覚書を訪米の条件とし、時間稼ぎに出ているのも黄氏の証言を封じようとする消極的な態度として映るばかりだ。

金大中(キム・デジュン)大統領も、3月にワシントンを訪問した際に、黄氏の訪米は身辺安全さえ保証されれば可能だと述べており、米議会側もそれについては必要な措置を取る意思を明確にしている。今や政府は、黄氏が米議会で証言できるよう積極的に努力すべきだ。