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有事の際、アラスカをMD基地に活用する

有事の際、アラスカをMD基地に活用する

Posted July. 10, 2001 19:29,   

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米国が2004年までアラスカに建設するミサイル防御体制(MD)の実験基地に、MD向け迎撃ミサイルを全面配備することを決めたことで、MDの配備計画が事実上確定した。

米国防総省は、アラスカのフェアバンクスから南東160km離れているポートグレリにMDの実験基地を建設することにし、近く議会に公式的に予算配分を求める計画だ。

この実験基地は空中で発射され、アラスカに向かって飛んでくる弾道弾迎撃ミサイル(ABM)を地上に配備される迎撃ミサイルで撃墜する実験を実施する場所に利用される。しかし、米国はこの実験基地をMD実験のための使用にとどまらず、10基以下の迎撃ミサイルを全面配備し、敵国が米大陸に向かってミサイルを発射する場合、これに対応するMD基地としても利用する計画だ。

このため、迎撃ミサイルの格納庫とミサイルの貯蔵設備も建設される。

国防総省傘下の弾道弾ミサイル防御機構のスポークスマンのリック・レナ中領は、「MD技術の開発が予定通りに行われるとともに、もし有事の状況となれば、ポートグレリ実験基地がMD基地に利用されるだろう」と述べた。

米国防専門家らはこの実験基地が今後、米国のMD体制の実質的な指令塔の役割を果たすものと見ている。

クリントン前政権はMD体制を2004〜2008年頃に配置することを検討していたが、ブッシュ政権はブッシュ大統領の任期が切れる2004年までをめどとした「初歩的」レベルのMD配置案を検討してきた。これを受けて、MDに参加する武器メーカー最大手のボーイング社は、4月末に国防省で実施した特別ブリーフィングで、1段階として2004年3月までアラスカ地域に5基の迎撃ミサイルを配備し、2007年まで迎撃ミサイルを50基まで増やすことを提案している。

国防総省はまだ、MD実験基地の建設にどの程度の予算が必要なのかは明らかにしていない。

しかし、アラスカで今年建設工事が行える期間が数週間しか残っていないため、予算要求案の提出を最大限急ぐ計画だとニューヨークタイムズ紙は伝えた。

米国のMD構築に対する国際社会の反対が収まっていない中、米国が事実上MD基地に使われる実験基地の建設に着手することにしたのは、ABM制限条約の改定及び廃棄に対するロシアの同意なしにMDを構築するとの意志を表明したものと受け止められる。

米国が72年、旧ソ連と締結したABM制限条約はMD体制の配備はもちろん、MD実験基地の建設までを禁止している。

アラスカに建設されるMD実験基地が事実上MD基地に使われることが伝えられたことで、米国のMD計画に対するロシアの反発はさらに強まるものと見られる。



申¥致泳 higgledy@donga.com