政府の国策研究機関である産業研究院(KIET)が、「ここ3年間の企業構造調整が合理的な根拠なしに行われ、成果を見ることができなかった」と批判したことは新鮮な衝撃だった。「不十分な部分だけを指摘する」と前提していたが、ビッグ・ディールなど通貨危機を克服するために政府が取ってきた主要政策を、「失敗策」と評したところに経済政策立案者らは傾聴すべきだ。
KIETが10日発表した報告書は、その間、民間から数え切れないほど指摘されてきた政府の経済政策の問題点を国策研究機関が認めた、という点でその意義があると言える。例えば、政府が国際通貨基金(IMF)管理体制を克服する過程で、最大業績の一つに数えられていたビッグ・ディールの場合、当時業界の強い反発にもかかわらず、改革という名の下で企業の意思とは関係無しに推進されたことは周知の事実である。同報告書は、「ビッグ・ディールが、合理的な論拠の不十分な政策の代表的なケース」だと政府を批判している。こうなると残された問題は政策失敗にともなう責任問題だ。
業種に関係なく、一括的に適用される「負債比率200%縮小」問題についても、研究院は、そういう基準がなぜ必要なのかについて該当業界を納得させるだけの論拠がないばかりか、これに似たような政策さえ外国には見当たらないと批判した。企業がその不当性をことある度に強調してきたが、政府は「改革に逆らうな」と脅かしつづけてきた。報告書の指摘に対して、財政経済部(財経部)と金融監督委員会、そして公正取引委員会が答える番だ。
報告書で特に目を引くのは、「企業構造調整関連政策が、企業ごとに財務、営業状況が違うという点を看過し、無差別的に基準を押し付けた」という部分だが、これはまさに市場経済の原則を無視した政策だという、その間のマスコミの批判と脈を同じくするものとして注目される。
また、政府が企業構造調整に介入し過ぎたあまり、市場機能の定着を遅らせたという指摘と、「形式的には債権銀行を表面に出したが、実質的には財経部と金融監督院が絶大な影響力を行使して、業界の撤退企業を選定し、撤退圧力を加えた」という指摘は、今後、当事者間で法律的な諍いにまで進む可能性を孕む重要な基準になりうると見られる。
KIETの報告書はその間、マスコミや民間の専門家らが指摘してきた政策の虚構と失策をほぼ大抵認めている。もはや残されたのは該当担当部署がKIETの指摘内容を謙虚に受けとめて歪曲された政策を見直し、今からでも失策の害悪を最小化することだ。