パソコン向け基本ソフトのウィンドウズを生産するマイクロソフト(MS)社は11日、コンピューター・メーカーがウィンドウズのスタート・メニューからMS社のインターネット・ブラウザーのインターネット・エクスプローラーのショートカットを削除することを認めると発表した。
MS社は、同日発表した声明を通じて「最近、米連邦高等裁判所がMS社がコンピューター・メーカーと結んだウィンドウズ・ライセンスの一部の条項が不適切だという判決を下したことを受け、このように決定した」と述べた。ワシントンの連邦高裁は、先月MS社がウィンドウズにエクスプローラーを抱き合わせて販売するのは反トラスト法に反する、という1審の判決を確認した。
MS社の今回の決定により、各コンピューター・メーカーはウィンドウズ98、ウィンドウズ2000、ウィンドウズMeなど、既存のウィンドウズのスタート・メニューからエクスプローラーのアイコンを削除できるようになる。
また、MS社が10月25日にリリースが予定されている次世代基本ソフトのウィンドウズXPの場合、コンピューター・メーカーはもちろん、ユーザーもプログラムの追加及び削除機能を通してエクスプローラーそのものを削除できるようになる。MS社は今までは、これをウィンドウズの一部として組み込み、削除できないようにしてきた。
さらにMS社は、各コンピューター・メーカーがエクスプローラーと競合しているネットスケープ・ナビゲーターなどを含め、リアルネットワークス社とAOL社(ネットスケープの買収社)など、競合会社のインターネット・ソフトのアイコンを従来通りスタート・メニューに追加できるようにすると明らかにした。
これまでコンピューター・メーカーは、ネットスケープをスタート・メニューに加えたくてもインターネットのショートカットがエクスプローラーとともに2つもあると、ユーザーに混乱を与えかねない上、エクスプローラーをウィンドウズから削除できなかったので、これを加えるのを憚ってきた。
MS社が今回ウィンドウズからの削除を認めたプログラムには、ウィンドウズ・メディア・プレーヤー、MSNインターネット、ウィンドウズ・メッセンジャーなどは含まれない。
MS社の今回の措置は、市場独占問題をめぐる米司法省との訴訟で妥協の意思があることを示したシグナルとして受け止められる。MS社の最高経営者のバルマーは「我々は裁判所の判決が残した問題に対して政府側と協力できることを希望する」と述べた。米司法省は19の州とともに97年MS社を反トラスト法違反の疑いで提訴し、先月2審が終わった。
MS社の独占行為を批判して来た側は、同社の今回の措置に大きな意味を与えていない。アイオワ州検事総長のトム・ミラーは「ブラウザー戦争はすでにMSの勝利で終わった」とし、「MS社がとっくに行うべきだったことを今になってしたのは大したことではない」と述べた。
韓起興 eligius@donga.com