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[オピニオン]大統領の汚職

Posted July. 25, 2001 09:20,   

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新大統領が就任したにもかかわらず、前大統領は「私は依然として大統領だ」と大ぼらを吹いて大統領府に居座り続けているという。インドネシアの話だ。外信でしか接することのない遠国のことにあれこれ口出しするつもりはないが、見るに忍びない。どうせ粘る見込みがないのならさっさと引き下がった方がましだと思うが、権力への執着は古今東西変わらないようだ。

◆権力の座から余儀なく退いたワヒド前大統領は、2年前に大統領に選出された時にはイスラム教の指導者として国民の尊敬を一身に集めていた人物だったという。1993年に農民や中小企業で働く人々のために尽くした功労でマクサイサイ賞を受賞したこともある彼は、特に庶民層から支持を集めた。にもかかわらず落ち目となった決定的な要因が、公金横領と寄付金着服の容疑であるというのだから、我が国と比べることはしないまでも何とも後味の悪いものである。

◆フィリピンのエストラダ前大統領は、最近、軍病院に拘留のまま裁判を受ける身となった。彼は最高で死刑宣告を受けることもあり得る。保釈も許されない横領と汚職などの容疑で今年の4月に拘束された。フィリピンの歴代指導者とは違ってスラム街で生まれ、かつて人気映画俳優であった彼は、貧民層の絶対的な支持を背に大統領の座にまで上りつめたが、結局は腐敗の罠から抜け出せなかった。典型的な「ポピュリズム(大衆人気主義)の失敗策」という言えよう。

◆それだけではない。「経済回復の立役者」として賞賛されたカルロス・メネム前アルゼンチン大統領は、与党政治家や政府官僚らの汚職のうえ貧富の格差が重なり、2年前に野党に政権を引き渡したが、今度は彼自身が武器密売の容疑で起訴された。

汚職疑惑が発覚し、昨年10月に日本に逃れたフジモリ前ペルー大統領は、日本政府がペルー政府の再三の身柄の引き渡し要請に折れはしないかと戦々恐々とせざるを得ない状態だ。「腐敗は国家を没落へと導く最も確実な近道だ」。19世紀後半の英国の名首相であったウィリアム・グラッドストンの言葉だ。今我が国にもこの警句にヒヤッとするお偉い方がいるかもしれない。



youngji@donga.com