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[CEOコラム]エレベータの安全規定の強化が求められる

[CEOコラム]エレベータの安全規定の強化が求められる

Posted July. 28, 2001 09:23,   

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ごく最近、あるギャグウマンのダイエットに関する裏話が世間を騒がせたことがあった。人々に感嘆と羨望をもたらした前編が終わるごろ、方法論が取り沙汰にされて「ダイエット波紋」というスキャンダラスな続編が続いた。

ダイエットの話が出てきたついでに、近頃書店には痩せる方法に関する、それらしき題名の本が数えきれないほど多い。別にこれと言った努力もしないで短期間で減量できる、「魔法のような方法」でもあるかのように書かれた本が読者を誘惑している。

しかし、ダイエットに成功できる基本原則はだった一つだと思う。すなわち、食べる量を減らして、運動を続けるに限る。

こんな基本と原則を無視して目標達成だけにとらわれてしまうと、どうしてもごり押しやごまかしで乗り切ろうとし、結局は手に余るような状態に陥り、その大きなしわ寄せと後遺症を引き起こしかねない。

企業の経営や政府の政策もしかりである。各種の経営戦略や政策を打ち立てて、実行に移す時にそれらによって引き起こされる様々な波及効果と後遺症を慎重に検討し、これに備えられる基本的なルールと原則を建てた後にことを進めるべきだ。

最近、政府がエレベータ補修業の登録条件を緩和することにした今回の措置はこうした点で、慎重な検討が不十分なのではないかと懸念せざるを得ない。

エレベータ補修業の登録条件緩和は、補修業者の急激な増加で競争が激しくなる中、補修料が引き下げられ、失業者が減るなど短期的には「可視的な効果」を得られるかも知れない。しかし、補修料のダンピング競争が激しくなれば、そのサービスの質は劣ることは必至だ。当然安全事故の原因ともなる。

韓国は世界で4番目に大きいエレベータ市場である。現在まで約19万2000台が設置され運行されており、少なくとも毎日数千万人もの人がエレベータを利用している。

しかし、恥ずかしくも韓国の安全事故は交通事故と並んで世界1位となっている。特に、エレベータ利用客の安全事故はどんどん増えつつある。

ある統計資料によると、エレベータ安全事故の原因は利用者のミスが30%である反面、ずさんな維持補修による事故はなんと60%にものぼる。

韓国の補修料は世界でもっとも低い水準だ。単純比較するのは難しいが、韓国の1台当たり補修料は人件費の水準がほぼ同じの香港、シンガポールの10分の1の水準であり、人件費が低い中国よりも安い。

作業場の従業員の安全を守るのが企業経営者の責任だとすれば、公共施設を安全に維持することは政府の仕事である。

安全規定をグローバルスタンダードに合わせて整備し、優秀な補修業者を養成するためには業者登録資格条件をむしろ強化しなければならない。補修料のダンピングによる補修作業の手落ちを防ぐためには適正水準の補修料を告示し、維持補修サービスの質を高めるべきだ。

ダイエットであれ、経営であれ、政府の政策であれ、基本を無視して近道することだけをよしとする風潮は失敗の近道だという教訓を改めて見直すことをお願いしたい。

LGOTISエレベータ 張炳宇(チャン・ビョンウ)社長