日本の参議院選挙で自民党が予想通り圧勝した。自民党は、今回の参議院改選議席121のうち、過半数を優に超す65議席を獲得し、非改選議席と合わせて111議席となった。自民党と連立政権を構成する公明党と保守党が得た議席を合わせると、与党3党は参議院全体の247議席のうち141議席を占め、過半数を大幅に上回った。
このような選挙の結果は、小泉首相個人に対する人気と改革志向への期待が、票に反映したと分析される。「小泉効果」が票につながったと言われ、選挙過程でも「小泉式改革」が最大の争点であったことに鑑み、当然の解釈と言える。よって小泉首相が、9月に予定されている任期満了に伴う自民党総裁選で難なく再選するものと思われる。
小泉首相は、政治、経済面で低迷する日本を改革する支持を取り付けたことだけは確かだ。しかし、あくまでも小泉内閣への支持に過ぎず、自民党に票を投じたのではないとの分析だ。また、小泉首相の改革「実績」への評価というよりは、「期待」度の現れに過ぎず、これからが正念場だと言えよう。株価をはじめとする各種指標の低迷とデフレのような厳しい改革環境の中で、小泉首相が経済を立て直し、バランスよく構造改革を断行できるかが関心の的となっている。
なかでも小泉政権の右傾化、保守回帰傾向と対アジア外交姿勢に注目せざるを得ない。小泉首相は、日本の歪曲された歴史教科書を容認する立場を堅持してきた。さらに、歴代の首相とは違って、靖国神社を「首相の資格で」参拝すると明言し、韓国と中国の強い反発をかっている。
今回の選挙で圧勝し、韓国や中国を刺激して摩擦を起こす小泉首相の「外交的逆行」が、さらに加速するのではないかと懸念せざるを得ない。もちろん、日本国内からも歪曲教科書の採択に反対する市民団体などの反発が強くなっており、連立与党の公明党も「首相の靖国参拝反対」の立場を明確にし、さらにマスコミも「アジア外交を麻痺させる考えなのか」と指摘している。
にもかかわらず自民党総裁選などを意識して、国内的に大衆的人気を集め、力のある指導者像をアピールするために右傾化傾向を堅持して、隣国との善隣関係を悪化させる恐れは、色濃く残っている。時代錯誤的な歴史認識を改めず、右傾化傾向に拍車をかけるならば、さらなる災いと不幸の始まりとなろう。韓国政府はこれに目を光らせ、断固たる外向的対処法を講じなければならない。