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途上国の金融危機は負債とバブル崩壊が最大の要因

途上国の金融危機は負債とバブル崩壊が最大の要因

Posted August. 04, 2001 09:49,   

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アレクサンダー・レンパールシ著(キム・バンヒ訳)の「第2の金融危機」。

最近、新興各国で発生した一連の金融危機は金融の世界的な統合化現象をどのように評価すべきかに対する多様な議論を呼び起こした。

金融の世界化は国境を超えた資本の移動を促し、資源配分の効率性を増進させる一方、これを通じて途上国の成長に寄与するものとして理解されてきた。

しかし金融の世界化が、経済成長に実質的に寄与してきたという実証的な根拠は薄く、金融市場に潜む脆弱性による自己実現的なパニック現象が頻繁に発生することから、経済規模が小規模の途上国においては、金融市場の全面開放による肯定的な効果より、これに伴うリスクの方が大きいとの指摘している。

国際決済銀行の事務総長と欧州通貨機構議長を歴任したラムパルシー教授はこの著書を通じて、現在の国際金融システムが直面している本質的な問題に対する徹底した分析を試みた。

これまでの金融危機をめぐる多くの論議は、理論的な厳密性に傾き過ぎ、金融危機という包括的な経済現象の一面だけに限られた分析に止まり、もしくはアプローチは包括的だが、検証されていない推論に止まるなど、どれも少なからぬ問題点を残していたのが事実だ。

半面、著者は精巧な理論ではなく、金融世界化の本質と流れを自らの経験をもとに見抜くことによって、新興途上国の金融危機を説明する一貫したフレームウォークを提示している。

中南米、メキシコ、アジア、そしてロシアの金融危機を、このような包括的かつ一貫した分析の枠の中で分析した。その結果、これら危機が過度な短期負債の累積と資産価格のバブル崩壊という共通した現象として特徴付けられることが分かった。その裏面には、国際金融市場の非合理性と投資家の歪曲されたインセンティブが作用してきたと指摘している。また、国際金融市場の不安定性を効果的に制御できる国際的な共助装置が欠けている点も率直に認めている。

しかし著者は、金融の世界化が中断されるべき不定的な現象であるとは述べていない。金融の世界化は、経済の効率性と安定性の追求という課題を同時に達成しなければならない多くの途上国が、いつかは通るべき価値中立的な過程だとしている。

著者の卓越した専門知識と経験に基づいた洞察力ある分析と政策代案は、たとえ精巧な論理による裏付けはないとしても、説得力がある。国際金融機関や資本市場の倫理だけに傾かない著者のバランスの取れた感覚も新鮮に感じられる。

但し、金融危機の教科書的な原因分析だけに集中し、波及メカニズムに対する分析が欠けている点、危機防止案の論議においての最終貸付者の機能の導入、事後的な不良債権分担体制の確立など、より詳細な対案についての議論が足りないという点が、惜しまれる。

ハム・ジュンホ(延世大の国際経済教授)