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[社説]ロ朝共同宣言と韓半島

Posted August. 06, 2001 09:48,   

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朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正日(キム・ジョンイル)総書記とロシアのプーチン大統領が4日発表した「モスクワ宣言」が、韓半島情勢にいかなる影響を及ぼすかが注目される。8項からなる「モスクワ宣言」は、北朝鮮とロシアの関係強化はもとより、韓半島周辺情勢に対する両国の共通認識を盛り込んでいる。

まず、「モスクワ宣言」に盛り込まれた内容の相当部分が、米国をけん制する内容であるという事実に関心が集まっている。宣言は、72年の弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約に対するロシアの主張を支持し、北朝鮮のミサイルが、北朝鮮の主権を尊重する国にとっては脅威にはならない、と強調した。また、在韓米軍の撤退問題を取り上げ、統一へ向けたプロセスに「外部からの妨害」があってはならないとの認識で一致した。これは、ミサイル防衛(MD)構想という米国の世界戦略に反対するロシアの立場と、対米けん制で立場の強化を狙う北朝鮮の思惑が互いにかみ合った結果と言える。

米国をけん制するロ朝間のこのような合意が、韓半島情勢に及ぼす影響について速断するのはまだ早い。北朝鮮は、米国との対話に向けて、ロシアや中国を背後支援勢力に引き込もうとしており、金総書記のモスクワ訪問も、そのような外交努力の一つであるという分析も可能だ。しかし、北朝鮮が露骨に中国、ロシアとの三国間連帯関係を強化し、駐韓米軍の撤退問題までも持ち出そうとしていては、米朝関係で突破口を見出すのは難しくなるだろう。その上、ロ朝間には先端兵器購買問題に関する意見調整も行われた模様だ。状況がこのように展開すれば、南北対話と米朝対話は先延ばしされざるを得ず、韓半島に新たな対決構図が作り出される恐れがある。

今回の「モスクワ宣言」に盛り込まれた昨年6月15日の南北首脳による南北共同宣言に対す評価、そしてシベリア横断鉄道(TSR)と韓半島縦断鉄道(TKR)の連結事業などについての合意は、南北関係の進展に期待を持たせる。一部からは、プーチン大統領が、金総書記にソウル答礼訪問を促したであろうとも言われている。事実、TSRとTKRの連結事業には韓国と日本が欠かせないため、さらなる南北対話のきっかけになり得る。

そのためか、韓国政府当局者も「モスクワ宣言」が南北対話に肯定的な影響を及ぼすものとの期待を寄せているようだ。しかし、金総書記の今回のモスクワ訪問の結果は、韓半島周辺のムードが次第に対立関係へと発展するかもしれないとの懸念を生んでいることも事実だ。政府は南北対話への性急な期待より「大局」を見て対処しなければならない。