朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正日(キム・ジョンイル)総書記と、ロシアのプーチン大統領が共同宣言で、在韓米軍の撤退問題を取り上げたことに対し、与野党は6日、相反する解釈をみせた。野党ハンナラ党は「在韓米軍の撤退要求は、北朝鮮が少しも変化していないことをみせつけたもの」だと主張し、与党民主党は「米国との対話で有利な位置を確保するための北朝鮮の戦術に過ぎない」と主張した。
▲ハンナラ党〓李会昌(イ・フェチャン)総裁は、総裁団会議で「(韓国と)伝統的な友邦の米国や日本との関係は進展していないところで、ロシアが在韓米軍の撤退問題に理解を示したことは韓国政府の外交的立場が弱まっていることを意味する」とし、「韓半島周辺情勢が複雑化しているのに、外交は適切に対応できないでいる」と述べた。
鄭亨根(チョン・ヒョングン)議員は、「金大中(キム・デジュン)大統領が、その間、北朝鮮の変化の代表的な事例として、北朝鮮が在韓米軍駐留の必要性を認めたことを挙げてきたが、この話が事実と異なっていたことが明らかになった」とし、「これは、政府が北朝鮮に振り回されていたことを意味し、極めて重大な問題だ」と述べた。
金滿堤(キム・マンジェ)政策委議長と崔鉛熙(チェ・ヨンヒィ)第1政策調整委員長は、声明で「今回の会談を契機に、北朝鮮とロシアが再び同盟関係レベルになるなど、韓半島周辺の情勢が冷戦時代に戻る可能性も出ているのに、政府は北朝鮮に対して極端な融和政策のみを用いている」と非難した。
▲民主党〓拡大幹部会議の参加者たちは「(ロ朝共同宣言で)在韓米軍撤退問題に言及したことは、ロ朝会談でイニシアチブを握るための高度の外交発言だ」とのことで意見が一致した。
金総書記は、プーチン大統領に儀礼的に在韓米軍撤退問題への合意を求めた可能性があり、プーチン大統領も外交的に最も消極的なレベルの共感を示す線で応じたのだろう、との見方だ。
幹部の一人は、「マスコミの社長団が訪朝した時と、オルブライト前米国務長官が訪朝した時にも、北朝鮮は同様に駐韓米軍の駐留を認めた」と述べた上で、「ただし対外的にだけ米軍の撤退を主張しているのは、生き残りのためと理解しなければならない」と語った。
田溶鶴(チョン・ヨンハク)スポークスマンは論評で、「ハンナラ党が『大統領が国民を騙した』としているのは、南北首脳会談の意味を傷つけるための政略的な態度」だとし、「外交と南北問題だけは、党利党略を押し立てずに国論を集め、国力を結集させるのに協力してほしい」と促した。
しかし、自民連の邊雄田(ピョン・ウンジョン)スポークスマンは、「ロ朝共同宣言は、我々が真剣に心配しなければならないことなのに、政府は余りにも安易に考えている」と述べ、ハンナラ党寄りの見方を示した。
宋寅壽 issong@donga.com