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北朝鮮の「奴隷労働」は国際法違反の疑い

北朝鮮の「奴隷労働」は国際法違反の疑い

Posted August. 08, 2001 10:30,   

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北朝鮮が、対ロシア貿易債務の約90%を労務提供で決済しており、昨年1年間に動員された労働者は約4000人にのぼると、読売新聞が7日、ロシア経済通商省当局者の発言を引用してモスクワ発で報じた。

労働力で債務を支払っている、との指摘は以前からあったが、今回初めてその具体的な割合が明らかになり北朝鮮の困窮ぶりがロシアの貿易統計からも裏付けられた、と同紙は指摘した。同経済通商省当局者によると、昨年のロシアの北朝鮮に対する輸出額は5460万ドルで、北朝鮮からの輸入額は5040万ドルだった。このうち輸入額の90%以上は労働力提供だという。同当局者は「労務決済はロ朝間の協定に基づいている」と説明し、労務決済がいつ始まったか、また労働力をどのように計算しているかなど詳細についてはコメントを避けた。

ロシアがこのような事実を公表したのは、友好国との関係でも経済を優先するとのプ-チン大統領の方針と、最近導入された国際基準の会計監査制度が影響を及ぼしたためと思われる。

国際人権団体「国際アムネスティ」は、昨年1年間にロシアで働いた北朝鮮の労働者数を4000人規模と推計している。就労した場所は、主に極東やシベリアで、職種は農作業や森林伐採、土木工事などが多いと見られる。極東やシベリア地域は、最近の人口の減少による労働力不足や市場経済の導入による賃金および輸送費の上昇などで、山林伐採や鉱物資源の採掘、各種の建設工事が支障をきたしていたが、北朝鮮の労働者が、このような問題の解消のために動員されているものと見られる。

国際アムネスティによると、北朝鮮が旧ソ連の伐採場に労働力を送り始めたのは1967年から。その後も労働者派遣は引き続き行われ、北朝鮮とロシアは、95年正式に木材伐採協定を締結した。この協定には、労働者の基準賃金と作業量などを基に労働力を算出し、これを債務返済に代替できると規定している。しかし、作業環境が劣悪な上、待遇も悪く、事実上の強制労働であり逃走する労働者も少なくないと、同紙は伝えた。

国際人権団体らは、北朝鮮による労務返済は奴隷労働を禁止した国際法違反の疑いがあり、ロシアが労働者の監視に警察を動員していれば、ロシアも同様に国際法違反となるため、今後、国際問題化する可能性があると指摘している。



沈揆先 ksshim@donga.com