米国務省は8日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と時や場所を選ばず、前提条件なしに協議に臨む用意があるという内容の米朝協議に対する方針を再確認した。
米国務省のバウチャー報道官は、この日の定例会見で「米国は時や場所を選ばず、両国が提起するいかなる前提条件も付けずに、真摯な協議を行う用意ができていることを北朝鮮側に明らかにした」と述べた。
バウチャー報道官は、米国が米朝協議の条件を撤回しない限り、協議は再開できないという同日の北朝鮮の外務省スポークスマン論評に対して、このように答弁しつつ「しかし現在のところ、北朝鮮は米国側の提案を受け入れていない」と述べた。
米国務省の会見に先立ち、北朝鮮の外務省スポークスマンは「米国が、北朝鮮を武装解除させて圧殺しようとの思惑から一方的に出した会談テーマを絶対に受け入れることはできない。米国側が、これを撤回しない限り、同じテーブルにつくことはありえない」と主張した。
米国が、協議条件の撤回を求める北朝鮮の要請に対して、前提条件なしに協議を行う意思を表明したことによって、金正日(キム・ジョンイル)総書記がロシア訪問を終えて帰国すれば、米朝協議の再開も可能であるという観測が出ている、とワシントンの外交筋は伝えた。
バウチャー報道官は「米国は、1994年の米朝枠組み合意の履行案の改善、北朝鮮のミサイルプログラムに対する検証が可能な規制、北朝鮮の通常兵器などに関して協議することを望む」とし、「北朝鮮側からも協議を望むテーマがあるだろうから、時や場所や条件に関係なく、協議再開の用意ができている」と加えた。
米国は、6月6日のブッシュ大統領の声明を通じて、米朝対話の再開方針を明らかにし、バウチャー報道官が言及した米朝枠組み合意の履行案の改善など、3項目をテーマとして提示したが、その後、トーンダウンしている。
パウエル米国務長官は7月27日、ソウルで「北朝鮮が希望する時間、希望する場所で、いかなる条件もなく、幅広い話し合いを再開する用意ができている」と明らかにした経緯がある。
韓起興 eligius@donga.com