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公務員にとって乙支演習は「対岸の火事」

公務員にとって乙支演習は「対岸の火事」

Posted August. 23, 2001 10:17,   

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「22日午前4時定刻から戦争が勃発し、戒厳令が出された。各機関別に戒厳令に備えた措置を取ってほしい」。

22日午前、ソウル市内の区役所別に設置された乙支(ウルチ)練習状況室に緊迫した状況を伝える内容のファックスが届いた。

しかし、ベージュ色の訓練服を着た役所の職員らは、演習を「対岸の火事」に思っているのか、気乗りのしない顔をしている。

一部職員は、例年に比べて繰り上げて行われる国政監査向けの資料準備に取り掛かっていた。コンピュータ画面に映し出された奇妙な画像のゲームを楽しみながら夜食を食べる人たちもいた。

「北朝鮮が攻め込んでくるという臨場感がわいてこないので、全然緊張しません。一方では金正日(キム・ジョンイル)国防委員長がいつ来るのか首を長くして待ちながら、他方では一線の役所別に、北朝鮮の侵略を想定して図上訓練をしています。どこか矛盾してませんか」。

今月20日から6日間の日程で始まった戦時想定図上演習は白けていた。「太陽政策」の登場と6月の南北首脳会談以降続いている「対北朝鮮包容政策」の影響で、役所の間には以前のような緊張感はうかがえない。「北朝鮮の主敵」という概念は軍事面での論理的な帰結に過ぎない」と役所の職員は言う。

政府省庁では毎日午前、長官が状況室で前夜の状況報告を受ける評価会議を開くが、関係者らは席を外すことが多い。ある中央省庁では訓練用長官室と次官室が用意されているが、長官や次官は訓練開始後一度も立ち寄ったことがない。

政府果川(クァチョン)庁舎で出会ったある局長クラスの幹部は「現場に侵入してくるスパイに対する対応などが課題なのだが、最近この概念自体が混乱しているので、いまは統一された後に起こりうる失業問題などの混乱状況を想定すべきではないかという性急な意見も出ている」と話した。

役所の職員は、非常事態に備えた施設で24時間非常待機し、訓練を受けるようになっているが、ほとんどの人が時間をもてあましており、なかには早く帰宅した人もいるという。

役所では、乙支練習が行われている期間中にも、平壌(ピョンヤン)「8・15民族統一大祭典」に参加した韓国代表団の実定法違反行為の捜査と関連し北朝鮮に対する見方に混乱を感じている。

政府中央庁舎の局長クラスの幹部は「大統領が先頭にたって金正日を擁護する発言をし、莫大な物的支援をしている状況で、検察は「万景台(マンギョンデ)芳名録波紋」と「開幕行事」に参加した人たちをどのような物差しで取り扱うのか苦心しているだろう」と話した。

別の職員は「検察と統一省間の異見にもかかわらず訪朝が認められたことに対して国家公務員の間で批判的な見方が多い」とし、「対北朝鮮包容政策もいいが、やっていいことといけないことが紛らわしいことが多い」と述べた。

ソウル市のホームページには「乙支演習中に愛国歌で描いた韓国地図」と題するいたずらっぽい文章が掲載され、「練習姿勢に問題があるのではないか」という内部の批判があがっているほどだ。

政府レベルでの演習は、官民軍が共同で、戦時中の非常行政を展開する訓練と「作戦計画5027」によって敵を撃退する米韓連合指揮所練習(CPX)からなっている。一方、地方公務員は、特定の仮想状況が与えられれば民間人を待避させるなど被害を最小限にとどめ、物資を供給するなど戦争を側面支援する行政を文書上で練習している。



李珍暎 ecolee@donga.com