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[オピニオン]欧州の北朝鮮包容政策は続くのか

[オピニオン]欧州の北朝鮮包容政策は続くのか

Posted August. 23, 2001 10:17,   

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韓国では対北包容政策への批判論が増し、米国と日本では保守的な指導者らの間で、北朝鮮との関係改善への関心が遠のいているこの時期に、北朝鮮を包容しようとする動きがいつになく強い地域がある。欧州である。私は一週間欧州に滞在し、ドイツやスウェーデンの政府官僚や学者と会って意見を交した結果、このような動きが今後とも続くだろうという確信をもった。

欧州が、バルカン半島のような隣接した地域に懸案を抱えている状況にありながら、当面の差し迫った安保的利害関係のない北朝鮮にどうしてそこまで関心を寄せるのか、その理由は明らかでない。にもかかわらず、5月の欧州連合(EU)議長国代表であったペーション・スウェーデン首相の平壌訪問は、欧州が南北の和解と協力の過程に建設的な役割を務める意思があることを明白に示した。

ドイツの場合、諸般の要因により北朝鮮に対する関心を高まっている。多くのドイツ人が未だに、金大中(キム・デジュン)大統領のベルリン宣言が、昨年の南北首脳会談開催に貢献した最も大きな事件のうちの一つであると記憶に留めている。ヨシュカ・フィッシャー・ドイツ外務大臣は、北朝鮮の包容政策により積極的な緑の党の出身だ。また、ドイツは冷戦時代、分断と統一という自らの経験が役立つものと信じている。

ドイツは、統一直後に閉鎖されていた北朝鮮大使館を再び開設することを今年の初めに決定した。数週間以内に北朝鮮に5人の外交官を派遣し、欧米国家としては最大規模の大使館を運営する計画だ。

スウェーデンの官僚らは、スウェーデンが、韓国と北朝鮮そして非武装地帯(DMZ)に事務所を置いていることを自負している。昨年の第3次アジア欧州首脳会議(ASEM)出席のためのペーション首相のソウル訪問および金大統領との会談の結果発表された「韓半島の平和のためのソウル宣言」は、実際に欧州内の対北包容ムードを増幅させるのに大きく寄与した。

EU官僚らは平壌訪問以後、北朝鮮官僚との定例会談の度に北朝鮮にいくつかのメッセージを伝えようと努力してきた。EU官僚らは、中でも北朝鮮が人権状況を改善せねばならず、経済改革を履行しなければならないという点を強調した。ベトナム駐在スウェーデン大使を務めた農業経済学者のルインクレン氏は、北朝鮮に対し「スウェーデン式モデル」に従うよりも中国やベトナムの経験から教訓を得ることを促してきた。

北朝鮮技術者が、いくら上海ゼネラルモータース(GM)工場をしばしば訪問したとしても、ボルボやサーブのような自動車を生産することはできないが、農業生産システムは改善の余地があるということだ。

欧州はまた、韓国との対話と和解の重要性を北朝鮮側に強調してきた。欧州の官僚の一人は「(北朝鮮は)米国に対して心配する必要はない」と筆者に語った。そして、北朝鮮が韓国との関係を改善すれば、米国も北朝鮮との関係改善に遅れをとることを望まないだろうと説明した。

欧州の官僚らは、対北包容政策の成功が容易ではないことを十分に認識している。欧州・北朝鮮間の経済協力の最も大きな障害は、北朝鮮の1970年代の借款で、未だに償還されていない数億ドルにのぼる外債問題だ。このうちの多くが償還されない限り、EUは北朝鮮と取引を望む欧州の企業に対し、輸出信用状を出さないだろう。

また欧州は現在、韓半島エネルギー開発機構(KEDO)内で積極的な役割を果たせないでいる。ドイツの緑の党とスウェーエデン政府が核発電に反対しているためである。EUがKEDOへの資金支援を増やそうとするならば、この2国でかなりの政治的争点となるであろう。

欧州が現在、対北包容政策に積極的だが、重要な問題は、このような政策が今後とも続くのかということだ。ドイツのクルアッサン・ハイデンベルク大学教授は、韓半島はまだドイツでは優先順位が低い地域であると強調した。

これについては、現在ベルギーが議長国を務めるEUが、今年の末に平壌に経済使節団を送るかどうかが、ある程度の手がかりを提供するものと見られる。韓半島問題についてどの国からも積極的な役割を担おうという意思表示のない状況下で、EUの対北包容への努力は、南北いずれからも歓迎されるだろう。しかしEUのこのような努力がいかなる実を結ぶかは、時間を要するであろう。

ピーター・ベック(ワシントン韓国経済研究院局長)



beckdonga@hotmail.com