中国と台湾が11月、カタールで開かれる予定の世界貿易機関(WTO)閣僚会議でWTOに同時加盟する見通しだ。
中国の竜永図・対外貿易経済協力次官は22日、記者会見し「カタール閣僚会議で中国と台湾がWTOに加盟する方針」だとし、「加盟後には両岸ともWTOのメンバーになることから、WTO規範に基づいて経済貿易を協力していかなければならない」と明らかにした。
台湾と同時加盟を中国の政府当局者が明かしたのは今回が初めて。中国はこれまでWTO加盟について「中国が台湾より先に加盟しなければならない」と主張し続け、台湾は加盟準備を完了していたが中国側の反対で保留されてきた。
中国のWTO加盟交渉代表である竜次官のこのような発言について北京の観測筋らは、カタール閣僚会議で会議日程を調整し、中国の加盟を台湾より先に決めるとの妥協策を中国側がWT
Oに提示したと分析している。
中国が台湾との同時加盟を受け入れた背景には、第一に、不況に陥っている台湾経済の回復を支援するためだとの見方が中国内の専門家らの分析だ。
昨年以来、深刻な景気低迷に陥っている台湾は、今年に入ってから8月中旬までに輸出入の増加率が前年同期比マイナス14%、マイナス20%を示しており、第2・4半期(4〜6月)の成長率がマイナス2.35%を記録したため、今年の経済成長率の予想値を当初のマイナス0.5%からマイナス2.4%へと下方修正した。
中国は台湾の経済混迷が続く場合、台湾企業の対中国投資が減少するなど、中国の経済発展に
も悪影響を及ぼすことを懸念し、台湾とのWTO同時加盟を受け入れ、台湾の景気回復を活性化させるという計算だと見られている。
第二に、究極的に「独立」へと向かう台湾内部の世論を中国の支持へと転換させようとする意図もあると観測筋らは分析している。
台湾では台湾独立を党の綱領とした与党民進党に次ぎ、先月下旬には李登輝前台湾総統を背後勢力とした新党が発足するなど、台湾独立の気運が高まっている。
これに対抗して中国は、今年6月以降、台湾海峡で台湾上陸を想定した大規模な軍事演習を行うなど、台湾に対する圧力を加重しており、国民党など、台湾独立を反対する勢力を支援する世論換気政策を取ってきた。
李鍾煥 ljhzip@donga.com