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【社説】租税研究院、減税反対の理由に根拠あり

【社説】租税研究院、減税反対の理由に根拠あり

Posted August. 27, 2001 09:30,   

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政府の税金減免政策に反対する人は非常に少ないはずだ。減免の分だけ実質所得が増えることから、減税政策は多くの国民に歓迎される。しかし、減税の意図がどれだけ純粋なものなのか、またその執行時期がどれだけ適切なのかによって、その効果は大きな差を見せる。時には減税が薬になるより、むしろ毒になる可能性があるという事実を、世界租税の歴史は数回に亘って記録している。

こうした観点から、政府と政界が来年、サラリーマンと自営業者の税負担を10〜15%減免する案を推進すると発表したのに続いて、国策研究機関の韓国租税研究院が公にこうした減税政策に反対の意志を明らかにしたことに、我々は注目せざるを得ない。

政府は減税政策の目的が、困難な経済状況下で景気を支える役割を果たしている消費を促し、内需を拡大させることにあるとしている。特に、サラリーマンのように所得が明らかな部類と、最近クレジットカードの使用で所得状況が相当部分明らかになっている自営業者の税負担を集中的に減らす方針であるということから、政府の方針は少なくとも見かけ上、望ましいことのように見られている。

しかし、租税研究院は通貨危機以降、財政が赤字を記録し、政府の負債が増加しているところに、恒久的な減税は財政悪化を招く恐れが大きいと指摘した。税金を減らすよりは、政府の支出を削減することが優先されるべきだとする租税研究院の主張は、こうした背景から説得力があるのだ。中央政府が抱えている債務が100兆ウォン以上あり、金融機関の構造調整などに投入された莫大な規模の公的資金を考えれば、今後の財政悪化は火を見るよりも明らかだ。

政府は2003年から均衡のとれた財政を達成すると約束したが、減税で税収が減れば財政正常化は事実上困難になることから、減税が責任ある政策かどうかは疑問だ。1990年度から財政赤字が雪だるまのように膨れ上がり、長い景気低迷に陥っている日本経済の二の舞になるのではと、懸念される。

大統領選挙が行われる来年から実施するとしたことも、政府の意図の純粋さが疑われる。国会の税法改正など今後かかるであろう時間を考えれば、やむを得ないことではあるものの、年末から景気が回復に向かうだろうとした政府の主張と減税効果が現れる時期が一致しないという点をいかに説明するつもりなのか気がかりだ。

税金は一度下げれば、再び引き上げるのが困難だ。政府は租税研究院のアドバイスに耳を傾けて、慎重に減税政策を推進すべきである。