Go to contents

[オピニオン]効果的な赤潮防止策が急がれる

[オピニオン]効果的な赤潮防止策が急がれる

Posted August. 29, 2001 09:33,   

한국어

韓国が産業化の波に乗り始めた70年代には、赤潮が発生しても輸出港の馬山(マサン)湾一帯に止まっていたが、いまや韓半島周辺の海域で発生すれば、たちまち全国の海上に広がってしまう。95年の赤潮は東海岸に沿って江陵(カンルン)まで上り、夏を過ぎて10月までに幅を利かせた。約30マイクロメーターの大きさの微細赤潮植物のコクロディニウムが清浄海域に属する巨済島(コジェド)一帯を荒し、馬山と釜山(プサン)を経て浦項(ポハン)、蔚珍(ウルジン)、東海にまで勢力を伸ばした。コクロディニウムの色のチョコレート色の帯があたかも油のように広がっては沿岸の養殖場を襲そい、その被害額だけでも800億ウォンに達した。今年も再びコクロディニウム赤潮が広がりはしまった。統營(トンヨン)周辺から発生し、蔚山と浦項沖にまで来たという。

赤潮とは黄色又は赤黒い色を帯びた植物プランクトンの大繁殖を意味する。数百から数十マイクロメーターの微細な植物プランクトンは本来海洋生物の餌の出発点だ。これらの微細植物は海に溶けている窒素と燐などの栄養分を使って太陽光を有機物に変えるが、これを餌とする他の生物によって魚に至る食物連鎖を形成している。従って植物プランクトンは海に十分存在しなければならない。ところで、赤潮の問題はこの植物があまりに大量に存在するということだ。今回の赤潮の原因となっているコクロディニウムも、大きさは30マイクロメーターに過ぎないが、一日に大たい一回ずつ分裂しながら鼠公算式に増えて海水の色まで変えている。

現在広がっている赤潮の被害として報告されているのは沖合いで養殖しているメバル、ブリ、かわはぎ、鯛などの斃死だ。これらの魚の斃死はほとんどの場合、魚のえらが赤潮植物によって詰まるのがその原因だ。魚がえらで水を吸い込む時、1リットル当たり数千万匹の赤潮植物が一緒に吸い込まれるためえらが詰まるのは当然のこと。さらに魚は赤潮植物の毒性によって呼吸が麻痺したりもするから、赤潮が発生すれば当然ながら養殖場の被害は大きくなる。

慶尚南道(キョンサンナンド)の海岸では、漁民と公務員1400人余りが600隻の漁船を動員して養殖場内に赤潮が入らないよう黄土を撒いたという。黄土を撒くのは、80年初め日本九州の鹿児島で試みられた後、韓国でも96年から利用している方法で、赤潮をなくす效果が非常に高い。黄土を撒けば黄土のコロイド粒子が海水の中の赤潮生物を吸着して海の下に下がるため、赤潮除去効率が通常は80〜90%を超える。しかし、この方法は養殖場に入る赤潮を遮る緊急措置の一つであるだけで、赤潮をなくす根本的な対策にはならない。赤潮を減らすためには赤潮の原因を解決しなければならないが、これはやはり赤潮植物の栄養分となる海水中の窒素と燐の濃度を下げる方法から探すしかない。

政府は赤潮防止のため陸上汚染物質の海洋への流入と沿岸埋め立て規制という、二つの方策を打ち出している。しかし、この内いずれも実現されていない。今年の夏の赤潮も洪水の後に起こっているが、雨水とともに陸上のあらゆる汚染物質が海に流れ出し、この時入ってきた生活下水に含まれていた窒素と燐がちょうど高くなった水温と強い日差しとともに赤潮植物を旺盛に増殖させたものと見られる。政府の方策通りにすれば、陸上からの有機物の流入を減らさなければならないが、このためには余りにも多くの予算が必要だ。

95年の赤潮大発生以来、海洋汚染防止5ヵ年計画によって昨年まで投入した予算は、約5兆ウォンであり、この予算の大部分を下水処理場の新設に使ったが、赤潮を減らすことはできなかった。まずは養殖場のある南海周辺の各都市の生活下水の処理と養殖場の自主汚染処理などにもっと予算を投入するのが效果的だと思われるが、養殖場の浄化事業に投入した予算は5兆ウォンの約2%である900億ウォンに過ぎなく、これも目に見える效果はなかった。

第2の方策である自然浄化地の干潟を埋め立てる沿岸干拓に対する規制も行われていない。シファ湖とセマンクム干潟干拓事業のように数兆ウォンが投じられる大規模な沿岸産み立てが行われている現実の元で、赤潮問題の深刻さを論議するのは難しい。赤潮による養殖場漁民の被害を減らすため、政府レベルでの思い切った措置が求められている。

コ・チョルファン(ソウル大教授・海洋学)