韓国人の平均寿命が70年前に比べて、おおよそ42年も延びていたことが分かった。
仁荷(インハ)大学数学統計学部の具滋興(ク・ザフン)教授は、統計庁資料室で見つかった日本帝国時代の生命表を分析比較した結果、このようなことが分かったと数学史学会誌に10日公開した。
この生命表は、当時の京成大学医学部予防医学教室の水島春男教授が、朝鮮総督府の人口および死亡申告資料を分析して作成したもので、韓国最初の住民生命表にあたる。
この生命表によると、1926〜30年の韓国人の平均寿命は、男性32.4歳・女性35.1歳(平均33.7歳)だった。 1999年の韓国人男性の平均寿命が71.1歳・女性79.2歳(平均75.6歳)であることから、約70年間で韓国人の寿命は42年延長されたことになる。
当時の朝鮮に居住していた日本人の平均寿命は42.3歳で、朝鮮人の寿命が日本人より8.6年も短かった。平均寿命が短かった理由は、栄養状態が悪く、伝染病が蔓延している上に幼児の死亡率が非常に高かったためと分析された。1925〜30年の幼児死亡率は、生まれた幼児1000人当たり、男児252人・女児230人だった。しかし、いったん1歳を超えた幼児の平均寿命は44歳に延びていることが分かった。
具教授は、「当時は、出生・死亡申告が徹底していなかったため、統計が正確であるとは言い難いが、最初の生命表を通じて当時の暮らしぶりを覗うことができるということに意味がある」と述べた。
ソウル医大の黄尚翼(ファン・サンイク、医学史)教授は、「西欧社会は、19世紀の産業革命で生産性が上がって以来、飛躍的に平均寿命が延びているが、韓国は20世紀に産業化が進むにつれて、寿命が急激に延びた」としたうえで、「寿命の延長に貢献したのは、医学の技術よりは産業化に伴なう栄養状態の改善、上水道と住居環境の改善だった」と述べた。
生命表とは、人口調査を基に死亡確率を計算して年齢別の期待寿命を表にしたもの。2001年の平均寿命が80歳というのは、この年に生まれた人の期待寿命が80歳であるという意味。
生命表は、年金や保険料の算定などに用いられる。終戦後は、1970年から生命表が作成されている。
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