「優勝さえすれば、通訳なしに格好よくインタビューできるのに・・・」。
「コアラ」の愛称をもつ朴ヒジョン(21・チャンネルVコリア)が、ついに流暢な「オーストラリアで鍛えた英語」の実力を発揮した。
念願の米国LPGAツアーで初優勝に輝いた10日、オクラホマ州タルサGC(パー70・6233ヤード)で開かれたウィリアムズ・チャンピオンシップ(賞金総額100万ドル)の最終日第3ラウンド。
単独トップのドナ・アンドリュース(米国)に5打リードされた状態でのスタートだったため、朴ヒジョンの優勝を予想した者は皆無に近かった。ところが、彼女の見事なアイアンショットは、殆どのホールでバーディーの距離まで近づけることができ、ついに8つのバーディーを追加して、この日イーブン(70打)に止まったアンドリュースを1打差でかわして劇的な逆転優勝を果し、米国ツアー初優勝の感激を味わった。
具玉姫(ク・オッキ)と朴セリ、パール・シン、金美賢(キム・ミヒョン)、朴祉垠(パク・ジウン)に次いで、韓国の女子プロゴルファーとしては6番目に米国LPGAトップの座に就いた朴ヒジョンは、99年の19才当時、米国LPGAクォリファインスクールに合格した際も、デビュー初年1勝以上を楽観視していた。
中学1年の時、オーストラリアにゴルフ留学した「海外派」の朴ヒジョンは、豪州ジュニアチャンピオンシップ3連覇(96〜98年)、豪州アマチュアチャンピオンシップ優勝(97年)など、華麗なキャリアの持ち主。
韓国でプロデビューした98年、スポーツソウル・レディースオープンで優勝し、99年にはインドネシア・レディースオープンを制覇して、さらに大きな舞台を求めて米国行きを選んだ。
ところが、これといったスポンサーもないまま終った初シーズンの賞金ランキングは134位。巨額のツアー経費を自費で充てていたため「早く成功しなければ」という焦りから、神経性胃炎までかかってしまった。何よりも、全財産を自分に投じた両親に対する心のプレッシャーは、大変なものだった。
しかし「志あらば道ありき」という言葉どおり、散々苦労した末スポンサーが付いた今シーズンに入ってようやく安定を取戻した朴は、先月のカナディアン女子オープンで初のトップ10入りを果した。
とりわけ、アニカ・ソレンスタム(スウェーデン)やカーリー・ウェブ(豪州)など強豪揃いの今大会で彼女は、15万ドルの賞金よりもさらに貴いものを手にした。「私にもできる」という自信を持てたのがそれ。
身長165cm、体重70kg弱のがっしりした身体から吹き出るドライバーショットとアイアンショットは、米国LPGAツアーでも充分通用する水準級のもの。特に、オーストラリアでのびのびとラウンディングしながら鍛えたショートゲームは、世界トップレベルという評価を受けている。
安永植 ysahn@donga.com