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[オピニオン]統合のリーダーシップが急務

[オピニオン]統合のリーダーシップが急務

Posted September. 21, 2001 09:36,   

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最近、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との南北関係をめぐる葛藤がとうとう政界の分裂にまでつながり、韓国社会全般にわたって深刻な混乱を呼び起こしている。その間鳴りを潜めていた韓国社会の分裂と葛藤の火薬が一度に爆発したような状態である。大半の国民はこうした分裂に対し、大変懸念しており、恐れてもいる。国際的に厳しい経済不況の中で、韓国経済の見通しも深い霧に包まれている状態にあり、社会全体がこうした分裂と葛藤に戸惑っているとすれば、これは本当に残念なことだ。

社会が発展する過程で社会の機能と構造の分化が活発に起こるのは当然のことである。仕事が複雑に増え、これを遂行するための新しい集団が数多く生じる。

こうした社会分化(differentiation)自体は管理の仕方によって発展に役立つ変化になりうることもあるが、うまく対処できなければ社会がちりちりに分散する破局を迎えることもありうる。昨今の韓国社会はこの様相を帯びている。社会分化は非常に広範囲にわたって進められるが、これを適切に対処できなかったために、発展の喜びよりはむしろ分裂の苦痛を味わうようになったわけだ。

社会分化を管理する術は社会の統合(integration)を追求し、達成することだ。分化と統合、この二つの過程を平行させなければならないのだ。社会統合は次の三つの主要レベルで行われるべきだ。活動と機能がほかの、数多く分化が進んだ下位単位の活動を適切に調整し、資源をめぐる競争を賢明に管理することで相互依存の関係でありながら、互いに分離した集団をすべて抱きかかえるという課題が、社会統合に向けた最初の宿題だ。分化した集団は部分分化を形成する。

この部分分化すべてがそれぞれ表出すれば、イデオロギーと価値観に深刻な混乱が発生し、社会がとどまるところ知らずに混乱に陥る恐れがある。よって、社会統合に向けた二番目の課題は象徴的な統一を成就することだ。イデオロギーと価値観で一定の合意を得なければならない。分化した部分単位らの力の不均衡によって、労使間、都村間、中央と地方間、上流と下流間の階級的な葛藤関係が形成される。このように利害をともにしない葛藤集団を政治的に融合することが社会統合の三番目の課題である。

今、韓国の混乱極まりない葛藤と分裂はまさにこうした三つのレベルでの社会統合がほぼ完全に失敗しているために起きた現象である。では、だれがどうすれば、こうした混乱している社会統合の宿題を解くべきなのか。機能が正常に働く社会では主に統合機能を遂行する宗教と政治が韓国社会ではむしろもっとも分裂している部分であるため、むしろ不適切だ。結局、最後の期待はリーダーシップとシステムに置かざるを得ない。リーダーシップが正しく発揮されてこそ、システムが正常に活動するのであって、システムが効率的に動かなければ思う存分リーダーシップを発揮することはできない。

まず、 分裂した社会、混乱した価値とイデオロギー、反目する階層を抱擁し、統合するためには、リーダーシップとシステムがオープンされ、フレキシブルに機能しなければならない。言路がふさがれ、コミュニケーションが困難で、すべてが硬直しているシステムは動脈硬化症にかかりやすく、こうしたシステムに閉ざされて、情報がふさがれ、意識が固くなってしまったリーダーシップは生動力をたやすく失ってしまう。そして、システムがその機能を果たせば、適正の標準にしたがって合理的に適材適所に人事を配置することが必要だ。しかし、何よりも社会統合への近道は、国民がこれほどまでに願っていながらも、なかなか得られないリーダーシップの決断にある。

一言で言えば、リーダーシップとシステムを動かすエリートが自己中心で、集団利己主義の寡欲を果敢に捨てて、心から国利民福に向けて奉公する、徹底した殺身成仁の「公益精神」を発揮するしか、ほかの代案はない。

非常に陳腐な処方のようだが、これが正解だ。昏迷を重ねている政治が経済難をはじめ、今日の「総体的な難局(どこかで聞いたことのある言葉だ)」を呼び起こした絶体絶命の状況で、ちりちりに分裂して砂のように散らばった社会を統合し、正常に機能させるためには、まさに公共の善のために献身する、勇気ある決断が急務である。

金𨯁東(キム・キョンドン)ソウル大学社会学教授