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[社説]憂鬱な秋夕

Posted September. 30, 2001 09:42,   

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韓国民族最大の祝日、秋夕(チュソック、旧盆連休)を迎え、今年も3200万人が帰省の途につき、「民族の大移動」を演出した。しかし、故郷へ向かう人々の心は高くかかっている満月のように明るくはないようだ。

秋夕連休を憂鬱にさせるのは、何ひとつ信用できないほど崩れ落ちた権力の姿であり、それに寄生している嘘と欺瞞の醜悪な「富む者同士のなれ合い」だ。新しい不正疑惑事件が次々と発生し、混迷した政局が続いている。政治家をはじめ、検察、警察、国家情報院、国税庁、金融監督員など国を支えている権力機関の人事が地縁を中心に複雑に絡み合っているとの疑惑が持たれている「李容浩(イ・ヨンホ)金融不正事件」は、正直かつ熱心に頑張るのは愚かなことだという自嘲を生んでいる。

なにを、そして誰のための国家共同体なのかという強い懐疑心さえ頭をもたげる。なのに、与党側が憤然として野党の「無分別な暴露」に告訴で立ち向かおうとしている姿勢には呆気にとられるだけだ。

部下の公務員に愛国歌を4節まで歌わせるなど、国利民福の公務員像を強調していた前国税庁長官はソウル市江南(ガンナム)の要地に、不正疑惑が絡んでいるとみられるいわゆる「家族タウン」を密かに作っていた。

しかし、結局就任22日目に長官職から退いた同長官の辞職の弁は「健康上の問題」だけだった。大統領府は、「資産作りの過程で問題があったとしても既に公訴時効の終わった過去の事だ」と主張している。権力の道徳性を完全に無視したとしか思えないこのような認識を持っていながら、いかなる国民的な信頼を期待できるのか疑問に思わざるを得ない。

賭博ゴルフの容疑で囚人の身となったある「ゴルフ場オーナー」は、「私を拘束したのは李容浩事件を隠蔽するための工作だ」と声高に主張している。実際、彼の事務室を数人の与党側の人物らが訪れていたのも明らかになっている。にもかかわらず、検察が「賭博に対する捜査」で急いで事件を終結させようとしているとの印象が拭えない。これでは疑惑が解明されるどころか新たな疑惑を生むばかりだ。

与党のある議員は正体の分からない「詐欺師事業家」から2000万ウォンを受け取っていながら純粋な政治資金だと後援金の領収証を差し出す。また、他の議員は「故郷の親しい後輩」と会っただけだと主張する。

秋夕は「民心の溶炉」でもある。与党はその溶炉から溢れ出る民心の憤りと虚脱感を心から恐れなければならない。全ての疑惑を隅々まで突き止めなければならない。他の選択肢はないはずだ。