米国のアフガニスタン攻撃により、景気低迷に悩まされてきた韓国経済はもう一度大きな打撃を受ける形となった。
戦争が長期化すれば韓国輸出の20%をこなしている米国の消費が萎縮し、中東地域の緊張の高まりで国際原油価格が高騰する可能性も出てくる。
専門家らは「原材料価格の上昇と輸出減少があいまって、企業の採算性が悪化し、景気回復も当初の予想より最大6ヵ月以上遅くなる」と懸念している。
▲マクロ経済、山場〓専門家らが憂慮するシナリオは、今回の戦争の長期化でアラブ諸国との全面戦争に拡大すること。対外経済政策研究院は8日、「報復攻撃が長期化する場合、米経済が「L」字型の景気低迷に陥り、この影響が中東全域に広がることになれば米国だけでなく、世界経済に深刻な不況をもたらしかねない」と見通している。
国際金融センターも長期全面戦争になった場合、世界経済が深刻な不況の中で物価が急騰するスタグフレーション(低成長高物価)に苦しむ可能性が高いと懸念を示している。
三星(サムスン)経済研究所は韓国経済が今回の空爆で△世界経済不況△国際原油価格の上昇△ドル安の「3重苦」に苦しむ恐れがあると指摘した。「輸出減少→生産萎縮→雇用縮小→失業増加→所得減少」と「原油価格の上昇→物価上昇→消費萎縮」という二つの悪循環に陥りかねないとのこと。
▲長期化すれば全業種に打撃〓精油、油化部門を除いては中東との貿易は多くないが、事態が長期化すればほぼすべての業種が打撃を受けるのは必至だ。
差し当たり、戦争危険保険料の賦課と原油価格の上昇などで、輸出業者の採算性が悪化すると見られる。大韓貿易投資振興公社(KOTRA)は中東に輸出される船舶の荷動き量が昨年の場合約1億3000万トンになっており、報復攻撃が1ヵ月続けば、それによる輸送被害が約1000万トンにのぼると予想している。
総合商社は特に中東諸国が出している大規模プラント発注に問題が生じることを懸念している。三星物産、現代(ヒョンデ)綜合商事、大宇(デウ)インターナショナルなど、主要総合商社が緊急点検した結果、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、イスラエルなど中東各国と推進中のプラント受注商談が延期される兆しが見えているという。
石油化学部門は国際原油価格が値上がりする場合、最大の被害が予想される業種。油化部門は米国市場の油化製品の需要減少に加え、原油価格の急騰で採算が取れないものと予想される。精油も原油価格の引上げ分の一部を消費者に負担させることも考えられるが、石油消費の減少は明らかであり、時間が過ぎれば被害は目立つと見られる。
朴元在 parkwj@donga.com