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[オピニオン]米国防戦略の焦点は北東アジア

[オピニオン]米国防戦略の焦点は北東アジア

Posted October. 18, 2001 09:08,   

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ブッシュ米大統領は、「テロとの戦争」を遂行する間にも、国防総省に長期的な見通しとして国防戦略を立てるよう命令した。米軍事力の焦点を欧州からアジア太平洋地域に移動させろというものだった。

こうした流れから、米政府が4年毎に発表する国防報告書(QDR・Quadrennial Defense Review)の最新版でもよくわかるように、米太平洋司令部の任務を強化する動きを見せている。

在韓米軍もやはり韓半島の状況が安定すれば、日本沖縄に駐屯している米海兵隊のように、アジア全地域を幅広く防衛する新たな任務を遂行するものと見られる。現在、米政権内部では、韓国内の米軍基地の役割をさらに強め、ソウルに位置する司令部も他の地域に移動させる問題が検討されている。1年前までは米軍の戦略立案家らが在韓米軍の縮小が可能かどうかを検討したことを思えば、非常に大きな変化と言える。

アジア太平洋司令部を指揮するデニス・ブレア提督は、このような戦略の変化について、「重要なことは、米国の国益がかかっている地域のうち、アジアの重要性がさらに強調されつつあるということ」だと説明した。

先日、筆者とのインタビューでブレア提督は、「米国にとっての『ビッグ・スリー』地域 は常に、欧州、南西アジア、東アジアの順だったが、いまでは東アジアが最優先順位で、その次が南西アジア、そして欧州の順に変わった」と語った。南西アジアは中東と中央アジアを意味する。

もう一つ注目すべきことは、「東アジアでも、韓半島を中心とする北東アジアと、台湾をはじめ東南アジアと南アジアを含めた残りの東アジア地域に区分されている」と付け加えたことだ。

こうした事実は、最近ワシントンで開かれている安保関連の非公開会議で、ごく最近までもっとも最後に議論されたアジア問題が、最近では他の地域問題に先立って議論されていることからも立証されている。

9月30日に発表されたQDR最新版は、ブッシュ大統領が米国の国防戦略の目標を公式的に表明した最初の結果物だった。

昨年夏に草案が完成されたQDRは、大規模なテロ攻撃が発生した後、急いで修正されたがその骨組みは大きく変わっていない。修正版は、米国本土の安保をさらに強調しており、本土の防衛を国防総省のもっとも重要な任務と規定している。

QDRはアジアの重要性について詳細に言及してはいないが、ブレア提督など米国防総省の関係者の説明を聞くと、次のようにまとめることができる。

第一に、太平洋の中央に位置する米国領のグアムは今後、米軍の主要作戦のハブとして活用される。1年以内にグアムに3隻の潜水艦が配置され、航空機維持修理施設と弾薬、燃料貯蔵施設などが増設される。

第二に、米国はアジアに新しい米軍基地を設ける計画は持っていないが、有事の際には、豪州のような友好国の軍事基地を活用する。軍事関係は合同軍事演習を通じて強化していく。日本の沖縄米軍基地はさらにその重要性が増す。

第三に、米空母船団が、西太平洋とインド洋にとどまる時間が増える。また、太平洋司令部に所属している6隻の空母が、今のところ大西洋で偵察の任務を遂行している空母とともに、インド洋での偵察任務を受け持つことになる。

第四に、米海軍は戦域ミサイル防衛(TMD)体制での任務を遂行することになる3、4の軍艦船団の母港をアジア太平洋地域に建設する案を模索している。米国は過去に締結した軍縮協定にしたがって、現在核弾頭ミサイルを搭載した潜水艦の数を減らさなければならない。よって、米国は同潜水艦に核ミサイルの代わりに標的を追跡するクルーズミサイルを搭載すると同時に、クルーズミサイルに武装した軍艦を増やす案を検討している。

数年前までは、アジア地域の友好国は米国がアジア太平洋地域に駐屯している米軍をいつ、どれだけ縮小すれのか、大いに懸念してきた。しかし、今回発表されたQDRは、米国がアジア太平洋地域の米軍事力を縮小する意志がないことを示唆している。

リチャード・ハローラン(フリーライター、アジア安保政策専門家)