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[社説]金大中大統領の課題

Posted November. 09, 2001 10:00,   

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金大中大統領が民主党の総裁を辞退したことで我国は、未曾有の、1年余りに渡る「政治実験期」を迎えることになった。今後、我国はこれまでにない数々の政治的試練を経験することになるだろう。大統領と与野党の関係、政府と国会の関係、国会内における与野党の関係、さらに、次期大統領選挙の構図などにかなりの変化が予想される。このような変化を、如何に賢く調和させ、そして政治発展を成し遂げるかが、当面の課題であろう。

金大統領は、その課題を先頭に立って遂行する責任を負っている。これまで以上の激しい権力漏れ現象に巻込まれて失敗した大統領になるか、それとも任期の末期を成功的に締めくくった大統領になるかといった問題は、専ら金大統領自身に掛かっている。国政が、今のように落着かないまま乱れている原因はどこにあるのだろうか。考えてみれば、何もかもが現政府の失政から始まっている。金大統領は何としても、国政がこれ以上漂流することのないよう、立て直さなければならないのだ。

ところが、金大統領が昨日発表した総裁辞退文をみると、そうした国政全般に渡る責任意識や刷新への意志が欠けており、残念でならない。金大統領は、総裁職を辞退する理由として、再・補欠選挙での敗北、民主党の最高委員および党幹部らの辞意表明、そして最後に国内外の情勢に積極的に対処していくためのものであるとしている。言うなれば、総裁職辞退の決定的な理由は、大統領選挙の候補をめぐって派閥争いに転じている党内部の事情からきているわけだ。

金大統領の意中がそうとあれば、今後の政局は、さらに混迷にならざるをえない。民心を的確に捉えていないからだ。今の民心は民主党の内紛ではなく、全面的な国政刷新の可否に集まっている。

金大統領は、何よりも本欄を通して重ねて主張してきた自由民主主義と市場経済、そして法治主義の原則を改めて確認するとともに、これまでの失政に対する厳しい批判から手掛けるべきだ。「帝王のごとき大統領」「人治」「大衆迎合主義」「官治金融」ということばが生まれた理由について真剣に反省して、その上で刷新に踏み切るべきだ。人的刷新はもとより、教育、医療、農政、外交政策の失敗と、権力周辺で起きている不正疑惑に対する全般的な刷新を望んでいるのだ。

金大統領が、民主党との関係を完全に清算しないまま、引続き政権継続に未練を持つとすれば、恐れている権力の漏れはさらに加速化するはずだ。全面的な国政刷新を通じて民心を手にしてこそ、成功した大統領になり得るのである。