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北朝鮮に対する行過ぎた結核ワクチン支援

北朝鮮に対する行過ぎた結核ワクチン支援

Posted November. 12, 2001 09:57,   

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最近、政府当局が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の緊急要請を受け、結核ワクチン(BCG)を非公式に過渡に支援してしまい、一時期国内の結核ワクチン在庫が空白状態になっていたことがわかった。

このような背景から、ワクチンがいざ必要な国内の接種者には適時に接種できず、全国の各保健所では一時期騒ぎになるという呆れた事態が起こった。

保健福祉部など政府当局者は10月10日、民間団体のユジンベール財団を通じ結核ワクチン3万本(約30万名分)を北朝鮮に支援した。

ユジンベール側は8月13日公式文書を通じ「BCG支援は人道的レベルで北朝鮮の結核退治事業に大きく貢献するばかりでなく、統一に向けての小さな一歩」とし「下半期の物品支援時期の9月10月中に寄贈してもらいたい」と促した。

政府当局は時間的に結核ワクチンを新たに生産して支援するのが難しいとみて、一応10月初め国内に供給すべき結核ワクチンを北朝鮮に優先供給することを決めた。

問題は国内の需給状況を正しく把握しきれず、結核ワクチンを過渡に供給して11月6日から3日間、国内では予防接種向け結核ワクチンの在庫がない状況が続いたことだ。

ソウルY保健所のある関係者は「毎週火曜金曜日が結核予防接種日となっているが、6日には結核ワクチンがなく接種にきた、新生児やホームレスの人等全員を帰した」と話した。

国内のワクチン空白は北朝鮮に政府保有分を全て提供した後、大急ぎで生産した追加分が9日から供給を始めて漸く解消された。結核研究院は最近「このような事実を絶対外部に漏らしてはならない」という通知を各支部に伝えた。

国内の結核ワクチンは結核研究院で生産し、食品医薬品安全庁細菌製剤課で安全性有効性評価などの鑑定を行った後、全国242の保健所で無料供給される。

国立保健院関係者は「結核ワクチンの空白事態は追加生産分の鑑定期間が22週間とあまりにも長いため、供給時期を誤って判断したミス」と解明した。しかし医療界ではIMF経済危機以降、ホームレスの人が急増し、結核ワクチンの国内需要も少なくない状況で北朝鮮に結核ワクチンを「丸ごと」手渡したのは無分別な「北朝鮮びいき」の明らかな事例と口を揃える。

また、結核ワクチン需給に狂いがあってワクチンの空白状態を招いたのは、年中続いている伝染病予防事業によって運営される国の事業に穴が開いたものと指摘した。

実際、国内5才以上の人口の内、42万9000名が結核菌保有者でその内17万名は患者として治療を受けている。

韓国結核協会によると、今年だけで4万2000名の結核患者が新たに発生し、年間3000名余りが結核で命を失っている。



gdt@donga.com