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[社説]「重態」の健康保険

Posted November. 26, 2001 10:03,   

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健康保険の給付が減り消費者の負担が増えたことで、国民の不満が高まった。健康保険の財政事情は、悪化する一方だ。そこに健康保険公団のおざなりな管理によって莫大な財政損失を被るという悪材料まで重なり、制度全般に対する不信が募っている。インターネットに「アンチ国民健康保険サイト」が登場するに至り、制度そのものが根底から揺らいでいると懸念されるのももっともだ。

政府は5月、地域健康保険に対する政府支援率を28.1%から50%へと引き上げる他、患者負担金の引き上げ、診察料と処方料の統合、参照価格制の実施などで、今年の健康保険赤字額を当初の赤字予算額4兆2000億ウォンから半分以下の2兆ウォン水準に抑えることにした。今年の赤字額2兆ウォンから昨年の残りの積立金9000余億ウォンを引いた純赤字1兆1000億ウォン相当は、金融機関から借りた後2006年までに順次返済しながら黒字財政に転換していくという計画だった。

しかし、今年の金融機関からの借入金はすでに限界を超え、年末までに1兆8000億ウォン余りに膨らむと予想される。純赤字額が7000億ウォン程さらに増える計算だ。このように赤字が増大したのは、健康保険財政安定化特別法の制定が与野党間の意見のずれで漂流したことで、地域健康保険に支援することになっていた政府支援額のうちタバコ負担金の分(10%)が見送られ、参照価格制も実施できずにいるなど、政策が混乱しているからだ。

診察料と処方料を統合し、医師と薬剤師1人当たりの患者数によって差等報酬を適用するなど、医療供給者を統制し、健康保険支出を抑制するとしていた財政対策も、実効を得られなかったことが明らかになった。これを受けて、政府は保険加入者の本人負担率を増やす代わりに保険給付を減らすことにした。来年1月から総合感冒剤とビタミン剤が、4月から消化剤、栄養剤などが保険の対象から外されるのがその代表的な例だ。

地域健康保険と職場健康保険の財政統合問題が、するだの、しないだの、延期すだのと混線する中、来年から保険料が増大する職場加入者らは、「自分達だけがいいカモだ」と不満を漏らしている。

健康保険の危機と国民の不信をさらに扇ぐのは、健康保険公団の「モラルハザード」だ。行政の手違いで、最小638億ウォンから最高1000億ウォンの保険給付を棒に振ったとあれば、もう誰も政府の健康保険行政を信頼できない。重態の健康保険行政に大手術が迫られている。