政府が再生の見込みのない金融機関に公的資金を投入する過程で、判断ミスで１１兆４０６２億ウォンを過剰支援したことが分かった。
また、これらの金融機関の役職員と経営破たん企業の所有主５２８１人が６兆６５４５億ウォンの財産を本人名義にしたり、所有権を違法に他人に渡したとして、１兆６９３９億ウォンが仮差押さえとなった。Ｊ社など経営が破綻した４社及び関連大株主８人は４億ドルを海外に隠したことも明らかになっている。
監査院は２９日、公的資金の運用と監督に対する監査を行った結果、１８２件にのぼる違法及び不正行為を摘発し、責任の重い６０人と４社及び４会計法人に対して検察に告発または捜査を要請したと発表した。４人については、２０億ウォンの弁償を命じ、金融監督院局長など２０人は懲戒処分にした。
監査院は政府が公的資金の支援対象ではない実績配当信託商品の預金を代わりに弁償したり、資産評価をきちんとせず、６兆２０９億ウォンを過剰支援したと発表した。また、信用協同組合預金を預金保護対象に入れたり、大韓（テハン）綜合金融とナラ綜合金融に対する処理をきちんとしなかったため、５兆３８５３億ウォンの公的資金が過剰支援されたと指摘した。
また、Ｋ重工業の前代表など、経営破たん企業の大株主と連帯保証人３４２３人は、本人と配偶者、子供の名義で６兆４９７億ウォンを持っており、経営破たんの責任のある金融機関の役職員１５４３人は、５５９５億ウォンの財産を横領したことが明らかになっている。
監査院は公的資金が投入された１２金融機関から役職員に５２００億ウォンを無利子または年間１％の低利で貸し出しており、破綻金融機関の破産法人である２３４社は平均１年６ヶ月が経っているのに業務をきちんと処理していないため、年間５４０億ウォンの損失を出していると話している。Ｋ銀行など２８の破綻金融機関の破産財団はゴルフ会員券を７６個（取得価格１０７億ウォン）も持っているという。
９１のワークアウト（企業改善作業）企業は、純資産額が帳簿価格より１０兆ウォンも足りず、粉飾決算の可能性が濃いが、金融監督院で監理をしなかったため、Ｓ建設など６６社の公訴時效（3年）が終わってしまったと指摘された。
監査院は９月末まで支援された公的資金１４８兆３０００億ウォンのうち、少なくとも３０兆ウォン以上は回収が不可能で、金融機関に出資した４４兆２０２０億ウォンも回収には相当時間がかかると見ている。
洪贊善 hcs@donga.com
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