韓国の水産物輸出トップのマグロ漁が危機に直面した。
韓国の年間マグロ漁獲量(5億1000万ドルに相当)の97%を占める中西部太平洋で、操業国にかなり不利なマグロ機構の設立が進まれているうえ、過去最大のマグロ漁場だった大西洋と地中海漁場での操業が事実上不可能になる危機に直面している。
2日、海洋水産部によると、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー、サモアなど中西部太平洋の沿岸16カ国は、「中西太平洋の孤島回遊魚族保存委員会(MHLC)」を設立し、主要操業国の韓国と日本などにも協約加盟を求めている。
この協約は操業国の主権を侵害し、主要意思決定を沿岸各国が決める条項が含まれている。
オーストラリアや米国など20カ国はすでに協約文に署名しており、署名を拒否した韓国と日本などを相手に説得作業を行っている。1日にも米国側のスカーリ顧問が日本に次ぎ韓国を訪れ、海洋水産部関係者と話合った。
韓国政府は「その条項を修正しない限り、署名しない」という構えだが、遠洋漁業界は署名拒否により沿岸国の排他的経済水域(EEZ)内でのマグロ漁に影響を及ぼすのではないかと懸念を表明している。
MHLC協約は北緯20度の北側(韓国、日本、中国、米国、カナダ)で3カ国が、北緯20度の南側で7カ国が批准すれば、その一ヵ月後に発効される。韓、中、日の3カ国が批准をしなくても3年後には13回目の国が批准をする日から6カ月後に自動に発効される。
一方、海洋水産部は先月12日から19日まで開かれた大西洋鮪保存委員会(ICCAT)定期総会の結果、韓国が大西洋、地中海の北方鮪の漁場を完全に失う危機に直面しているという内容の報告書を30日、インターネットを通じて公開した。
報告書によると、ICCATは漁獲割当て量(クォーター)を操業実績の基準で調整することにし、韓国のマグロ漁におけるクォーターを今年の619トンから来年から4年間にわたって年間50トンへと減らし、その他の全ての会員国のクォーターを増加させる議題を上程した。
これに対し韓国は拒否権を行事し、交渉は決裂された。
海洋水産部関係者は「韓国のマグロ漁船が来年にも大西洋と地中海で操業しない限り、これ以上の拒否権を行事できない雰囲気だ」と述べた。
同部はマグロ業界を対象に大西洋と地中海で北方マグロ漁を行うよう説得する計画だが、今のところ採算が合わないため操業に出る可能性は低い。
同部関係者は「漁場の経済性は時間が過ぎれば変わる」とし、「一度クォーターを失えば、後で取り戻すのは難しい」と説明した。
千光巖 iam@donga.com