「互いの実力をさらけ出して、戦ってみたい」。
9日午後5時、済州道西帰浦(チェジュド・ソギポ)のワールドカップ(W杯)球場で開かれるサッカーの韓国と米国代表チームの評価戦は、色々な意味合いが盛り込まれる一騎打ちとなる。韓国としては、2002年W杯本大会で史上初の1勝と決勝トーナメントに進出できるかどうかを占える一戦でもある。
W杯本大会で同じD組に属し、第2戦で激突することになった韓国と米国は、今回の評価戦で、若手の有望選手を出場させ、互いの戦力を探る狙い。
なかでも、韓国の次世代の代表チームを背負うものとみられる 李天秀 (イ・チョンス、20、高麗大)と米国のルーキー、ドノバン(19、セネザイ)のフォワード対決に注目が集まっている。
この二人には似通ったスタイルの選手だ。経験が浅い若手でありながら、大胆なプレーを披露し、両チームの監督からの信頼も厚く、体格も小柄な点まで似ている。李天秀選手は172cm62kg、ドノバン選手は172cm67kg。
二人とも両チームには欠かせないプレーヤーとして、先発出場するものとみられ、互いに「相手を完全に押し伏せて見せる」と意欲に満ちており、西帰浦球場のこけ落としとなる今回の評価戦は、この二人の自尊心の対決になるものと見られる。
韓国サッカーのヤングパワーをリードしている李天秀は、「俺には大きな舞台が似合う」と平気に言うほどプライドが高い。「米国は我々のW杯1勝の対象だ。必ず俺が決勝ゴールを入れて勝って見せる」と言い切るほど、米国戦に強い自信感を見せている。
李天秀は、代表チームに頻繁に名前を連ねた割には注目されなかった。しかし今年8月の欧州遠征で可能性を認められてからは、9月のナイジェリア戦と先月のセネガル戦、クロアチア戦を通じて代表チームの主要攻撃ルートとして確たる地位を築いた。今回は、右サイド・ウィングでの起用が有力視されているが、ヒディンク監督はゲームメーカーとして起用することも検討している。中央の攻撃的MFとして投入される場合、ドノバンと1対1で立ち向かう場面も避けられない。
李天秀は最近、「俺は欧州に進出して欧州最優秀選手になるんだ」と、欧州進出に期待をかけている。その意味で、今回の評価戦は海外進出の「試金石」でもある。
李天秀と真っ向から激突するドノバンは、米国チームの中央の攻撃型MFで、18歳だった99年に代表に抜擢された米国の有望株だ。昨年10月のメキシコ戦で国際大会にデビューしたが、早速「デビュー祝砲」を打ち上げ一気に注目を集めた。以後、これまでの8試合に出場し米国の本大会出場を手助けした。早いスピードで疾走しながらも、ボールのコントロール能力が優れ、感覚に富んだ短いパスが逸品とされる。
まだ完全な「ベスト11」入りしていない彼としては、今回の舞台は2002年W杯のスタメンの地位を確保する上でまたとない絶好のチャンスだ。看板スターのムア(イングランド・イバトン)とスチュワト(オランダ・NACブレッダ)らベテランたちが欠場した隙間を活かして主戦の座を固める決意を強めている。
ドノバンは「青少年時代に韓国チームと戦った経験があるが、成人の代表になっては初めてだ。いいプレーをして必ず勝てるよう努力した」と語った。
梁鍾久 yjongk@donga.com