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旧ソ連の崩壊から10年、ロシアは今…

Posted December. 10, 2001 10:30,   

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「いばらの道の連続だったこの10年間、しかし後戻りできない歴史の歯車」

8日で、旧ソ連による共産体制の崩壊10周年を迎えたロシア人の複雑な心境を、このように要約できるだろうか。

ロシアと旧ソ連邦傘下の14の共和国は、自分たちはもちろん、世界の歴史を変えたソ連解散宣言10周年を祝うことはなかった。3日間のギリシャ公式訪問を終え、この日帰国したプーチン大統領は、これについてただの一言も触れていない。

10年前のこの日、ロシアのエリツインとウクライナのクラプチュク、ベラルーシのショシケビッチは、ベラルーシの山奥にある別荘でソ連邦の解散に合意し、この事実を当時のブッシュ大統領に電話で通知して世界中に知らせた。その後、ロシアと14の共和国の10年は、市場経済と自由民主主義を花咲かせることができる、と考えた指導者たちの期待とは違った方向で展開してきた。

ロシアは93年、改革の副作用として現れはじめたハイパーインフレーションと不況、ついには98年に通貨切り下げと債務不履行、さらに銀行の破産により、市場経済の崩壊寸前まで追込まれた。

連邦の解散で独立を手にした共和国も、経済難と残酷な内戦、権威主義的な支配体制、隣接国、異民族との戦乱という代価を払わなければならなかった。

ロシアで世論調査を行なっている「ロミル」が、2000人のロシア国民を対象に実施した電話世論調査によると、回答者の72%が「ソ連の崩壊を残念に思う」としており、58%は「ソ連の解散は防げたはず」と答えている。これは、旧ソ連についてロシア人たちが未だに強い未練を抱いていることを示すもの。

右派の自由ヤブロコ党のイワネンコ副議長の話は、こうした国民情緒を代弁しているようだ。

彼は「『ソ連の崩壊に遺憾を表さない人は暖かい心臓を持たない人で、だからといって今日再びソ連を復元しようとする人は気狂いだ』といっているある政治学者の意見に全く同感である」としながらも「過去への回帰はあり得ない」と語った。

10年前のこの日、エリツィンと歴史的な合意に至ったショシケビッチ氏は「全く遺憾には思わない。我々のしたことはすべて正しく、今でもその合意文書の文章一つ、いや文字一つ変えるところはない」と述べた。しかし、政界を引退した彼が1ヵ月に受取る年金は僅か2ドルに過ぎず、ベラルーシのルカセンコ政権は、かつてのクレムリンにおける専制主義政権に酷似している。ウクライナのクラプチュク氏は「我々3人は自由の守護者になりたかった」として「一つ残念なことは、我々が合意した内容を実践に移せなかったこと」だと述べた。

ロシアの政界と学会では、全体主義的共産主義が姿を消したこの10年間、個人の自由と民主主義、市場経済がかなりの進歩を成し遂げたとする評価もないわけではない。ゴルバチョフ元大統領のペレストロイカ(改革)政策が、エリツィン前大統領の改革に拍車をかけ、自由と市場企業繁盛の基盤を固めた一方、経済的な危機を経てはいるものの、プーチン体制の発足以降、経済に回復の兆しが現れているというのである。この2年間ロシアは、ソ連崩壊後初めて均衡予算を編成しており、世界経済の同時不況という悪条件の中でも、安定的な経済成長の基盤を築いたとする評価も受けている。しかし、プーチン大統領でさえ、現在のロシアがかつて強大国の地位を謳歌していたソ連にはるかに及ばないという事実を自認していると、外信は伝えている。



洪銀澤 euntack@donga.com