政府が導入しようとする民間保険は現行の健康保険に欠けている部分を補完する「補充保険」の形になるとみられる。
この場合、民間保険は医師の医療行為の中で、現在の健康保険の恩恵が受けられない部分と、恩恵があっても患者の支払う本人負担金を補償する形などで運用される。
しかし、このような補充保険の導入は従来の公的保険を大きくい縮させ、国民に違和感を与えかねないという指摘も出ている。
保健福祉部(福祉部)、健康保険公団、保健社会研究院、民間の保険会社などで作る「民間医療保険活性化タスクフォース・チーム」はこのような内容を盛り込んだ「国民健康保険と民間保険の協力を通じた医療保障システムの改善策」と題する最終報告書をまとめ、14日、金元吉(キム・ウォンギル)福祉部長官に提出した。
福祉部はこれをもとに、施行案を作って公聴会を開き、民間保険の導入に拍車をかける考えだ。
報告書によると、健康保険は今のように強制加入になるが、基本的な範囲(基本給与)だけを担当し、健康保険サービスが受けられない高価な医療器具を使った診療、選択診療費(特診費)、食事代、付き添い費など非給与費用と、当人負担分は、この補充保険の担当になる。その代わり健康保険は、診療費全体の半分程度を使っている重症疾患者に対する給与水準を大幅に増やす。
本報告書はまた、補充保険の活性化に向けて加入勤労者には所得税を控除し、団体で加入する企業に対しては、法人税の損費を認める案も提案している。
福祉部は民間保険に加入すれば、強制的に出している健康保険料の一定部分を民間保険会社に渡して、この民間保険会社が保険給与の責任を持つバウチャー(voucher・保証人)式民間保険の導入についても、補充保険式民間保険の代案として慎重に検討している。
金長官は「十分な世論を聞いて、民間保険の導入を進めていきたい」と述べているが、市民団体などから「民間保険が出れば所得階層間の医療サービスの格差が広がりかねない」との強い反発もあり、難航するのは必至と予想される。
文哲 fullmoon@donga.com