Go to contents

[オピニオン]「放聲大哭」

Posted December. 18, 2001 09:22,   

한국어

1905年11月17日、日本が韓国の外交権をはく奪した乙巳保護条約(日韓保護協約)を締結すると、当時の「皇城新聞」社長だった張志淵(チャン・ジヨン)は「是日也放聲大哭(この日こそ声を放って大いに哭くべきである)」という論説を掲げ、その不当さを満天下に知らしめ、学部大臣の李完用(イ・グァンヨン)ら「乙巳五敵(乙巳保護条約に調印した大韓帝国の5人の大臣)」を激しく非難した。

「大皇帝陛下が強硬に拒否したことを、どうしてその閣員がこれに賛成し調印することができようか。これら閣員こそ、犬豚同然の者であり、大皇帝陛下と2千万の同胞に顔向けすることはできない」。

今、金大中(キム・デジュン)政権のモラルが地に落ち、政権内に声をあげて大いに哭いている者はいるだろうか。

「大統領が改革に夢中だからといって、その直属の者たちが群れをなして腐敗を日常茶飯事とすることができるだろうか。これらの者たちこそ禽獣同然の者であり、大統領と4000万の国民に顔向けすることはできない」。

しかし、哭き声は聞こえず、虚偽と巧言ばかりが飛び交っているとは、嗚呼(ああ)、哀しいかな。

現政権から巨大組織犯罪を根絶する最高検察庁中央捜査部長と国中の腐敗と公職者の綱紀を取り締まる大統領民政首席秘書官を歴任した辛光玉(シン・グァンオク)前法務部次官は、「陳承鉉(チン・スンヒョン)ゲート」の陳氏に会ったことさえないと話した。「もし一銭でも受け取ったのなら、腹切自殺をする」と言いきった。しかし、7年の刑を宣告され刑務所に収容されている陳氏は、辛前次官に昨年5月以降数回会ったと言う。そのせいなのか、辛前次官はその翌日言い方を変えた。陳氏に会った記憶がないと。

陳氏のロビイストである民主党出身の崔澤坤(チェ・テッゴン)氏との関係も釈然としない。辛前次官は、民政首席当時、情報を得たり世の中の話を聞いたりする目的で崔氏に4、5回会っただけだと述べた。しかし崔氏は、辛前次官と7年前から付き合いがあったと述べた。かりに、辛前次官の言う通り4、5回会っただけだとしても、大統領民政首席書記官が、名ばかりの民主党教育特別委員会の非常勤副委員長と何らかの「情報線」を結ぶために、そうしばしば会う必要があったのだろうか。

検察側は、辛前次官がこれまで知られてきたとおり、(崔氏から)1億ウォンを一度に受け取ったのではなく、200万〜300万ウォンずつ数度にわたって受け取ったという結論を出した様子だ。検察側の結論どおりならば、辛前次官が崔氏に時々会っていた理由も想像がつく。

崔氏は一時、権魯甲(クォン・ノガプ)元民主党顧問の下にいたとされる。大統領の長男金弘一(キム・ホンイル)議員とは大学の同窓生だ。崔氏はこれら「実力者」たちの名前をよく出していたという。辛前次官がそのような理由で崔氏にしばしば会っていたというのもあり得る話だ。もっとも崔氏が二人のK氏の名を利用し、検察庁に自由に出入りしていたのでは、虎の威を借る狐とはいえ、その威勢が大統領府青瓦台(チョンワデ)にまで及んだのもおかしくない。

「強い人物」は他にもいる。金銀星(キム・ウンソン)前国家情報院第2次長だ。97年、政権引継委員会のメンバーだった金氏は、昨年4月国家情報院の実質的ナンバー2である第2次長になった。当時の国家情報院長は、いわゆる「太陽政策の伝導師」役だった林東源(イム・ドンウォン)現外交安保統一特別補佐官だ。国家情報院のある関係者は、当時林院長は対北朝鮮問題にかかりっきりで国家情報院の仕事は金前2次長にほとんど任せっきりだったという。

ところが、その下の経済団長が「鄭鍱逷(チョン・ヒョンジュン)ゲート」と関連して5500万ウォンを受け取った容疑で、また経済課長が「陳承鉉ゲート」から1億4600万ウォンを手にしたとして相次いで逮捕された。つまり、国家情報機関が各種ゲートの「ロビー本山」となっていたわけだ。

しかし、疑惑の中核は国家情報院第2次長ではない。金前2次長が「陳承鉉ゲート」を作り与党勢力と検察首脳部に圧力をかけていたとすれば、圧力をかけられるほど「後ろ暗い」人物は一体誰なのか。それを明らかにしなければならない。

ゲートがあちこちで作られ、一夜明ければ新たな疑惑が持ちあがっている状況では、誰がどのゲートの所属なのか分からなくなる。ともかく、大統領府、国家情報院、検察、民主党など政権内の人物が出身地域の同じ者同士で徒党を組み放蕩三昧しているのに、足もとが腐っているのにも気づかず、連日改革だの国家の綱紀を正すだのと言っていたとは、現政権は恥ずかしくて顔も上げられないだろう。「声を上げて大いに哭いた」ところで、誰が耳を傾けるだろうか。嗚呼、哀しいかな。

全津雨(チョン・ジンウ)論説委員



youngji@donga.com