MCIコリアのオーナー、陳承鉉(チン・スンヒョン)氏の政官界に対するロビー工作の波紋がとうとう、金大中(キム・デジュン)大統領の家族が関連しているという疑惑にまで広がり、これをめぐる与野党の攻防戦が過熱気味をみせている。野党ハンナラ党は陳氏のロビー対象のうち、背後に隠れている「実体」を明らかにすべきだとして事実上、金大統領の家族に対する捜査を促したことで検察の対応が注目されている。
ハンナラ党の李在五(イ・ジェオ)院内総務は18日に記者と会い、「拘束された崔澤坤(チェ・テッゴン、民主党の元党員)氏の他に、また別の仲介者を通じて、今回の事件の『実体』として陳氏の救命ロビーが試みられた」と述べ、「この仲介者は政界の人物で、検察の捜査を見守ってから身元を公開するかどうかを決める」と述べた。
権哲賢(クォン・チョルヒョン)スポークスマンは声明で、「崔氏が検察に出頭する前に、金大統領の次男(金弘業アジア太平洋財団副理事長)に会ったとするなど、大統領の子息らに対するロビー疑惑が提起されている」とし、「当事者が真実を明らかにし、検察もやはり聖域のない捜査で、彼らをめぐる噂が事実なのかどうかを確認すべきだ」と主張した。
張光根(チャン・グァングン)副スポークスマンは、党役員会議のブリーフィングで、朴正勲(パク・チョンフン)元民主党国会議員が、第14回全国区選挙への政治献金として23億ウォンを出したと朴元議員の夫人が主張したことを受けて、「金大統領が野党の総裁だった時代に、それほどの大金があったのだから、政権についた後はどんなに巨額だろうか、というのが国民の考え」だとし、金大統領に政治資金の公開を要求した。
これに対し、民主党の李洛淵(イ・ナグヨン)スポークスマンは論評を通じて、「野党が見せているありさまが度を越して、疑惑を生み、拡大流通している」とし、「捜査を混乱させ、国民を不信の沼に陥れるような行動を直ちに中止せよ」と求めた。
李スポークスマンはまた、「私たちは誰をも、かばったり、かくまうつもりはない」とし、検察の聖域のない迅速な捜査を促した後、「野党も国民の税金である安全企画部(国家情報院の前身)の予算を選挙資金に流用したのだから、恥を知るべきだ」と語った。
また張全亨(チャン・ジョンヒョン)副スポークスマンは論評で、「ハンナラ党が97年の大統領選挙の際、大手企業を脅して200億ウォンの選挙資金を受け取った疑いについての裁判が進められており、側近がベンチャー企業を通じて、数百億ウォンの利ざやを得て、それで選挙資金を準備したという話もある」と主張した。
一方、検察の関係者は、「崔氏が金大統領の次男に会ったかどうかも確認していないし、たとえ会ったとしても、それが捜査の対象になるかどうかは疑問だ」と述べた。
鄭用𨛗 issong@donga.com