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[社説]「尹泰植ゲート」ひご勢力を白日にさらせ

[社説]「尹泰植ゲート」ひご勢力を白日にさらせ

Posted December. 21, 2001 10:30,   

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国家安全企画部(安企部)によって、隠ぺい・ねつ造された妻殺しの殺人犯が、堂々とベンチャー事業家になりすまして、政界のひごを受けていた。政界と情報捜査機関の腐敗の鎖は果てしなく、不可能なことがないようだ。スージー金殺人の容疑者として裁判を受けている尹泰植(ユン・テシク)氏は、15年近くも安企部と国家情報院(国情院)の傘の下で法の網をくぐり抜け、事業を拡張した跡が歴然としている。これでも足りずに元長官を会長として迎え入れたり、元国会議員を監査役として引き入れ、その他にも与野党の大物政治家に対してロビー活動を行なった疑いを受けている。

警察が、公訴の時效満了を前に殺人事件として再捜査を行ない、金融監督院が、横領や有価証券の届け出義務違反などの疑いで、のどを締めにかかったため、生き残りを図るために各方面にロビー活動を行なったことと、事件の全体像が浮かび上がっている。国情院局長を使って、警察の再捜査を中断させた時までは、ロビー活動はかなりの成功を収めていたといえる。

株価が急騰したベンチャー企業に対する疑惑が起こるたびに、毎度のごとく登場する株ロビー説が、また現れた。実際に、某議員は1億ウォンを投資したという。額面価格5000ウォンの株が、店頭市場で80万ウォンにまでつりあがったというから、1億ウォンの投資をしただけでも、容易に数十億ウォンの投資収益を上げることができる。たいてい、株ロビーは、借名で行われるというが、検察がその気さえあれば、背後に息をひそめる実名を突き止めることは難しい捜査ではない。

尹泰植ゲートには、与党民主党はもとより、野党ハンナラ党議員らの名前が多数あがっている。このために、民主党は、野党政治家の関連の可能性を主張し、ハンナラ党は、心中を図ろうとする術策であると憤慨を露わにしている。与野党は、検察に厳正な捜査を促すところで止めなければならない。この事件を政争へともつれ込ませてはいけない。政界や国情院にどれほど流れたかは分からないが、ベンチャーバブルが真っ盛りであった時に、店頭市場で儲けた大金の規模から、巨額の金がやりとりされた可能性が高い。

殺した妻を女スパイに仕立て上げ、妻殺しの犯人から反共の闘士へ、嘱望を一身に受けるベンチャー企業家へと急成長した尹泰植ゲートは、スリルのある映画よりも劇的な要素を十二分に備えている。情報捜査機関と政界のモラルハザードが、この一編のスリラー映画に盛り込まれている。どんなに時間がかかっても、徹底的に捜査を行ない、政界と公職社会の目を覚まさせなければならない。

もしかして、この事件で、新技術を開発し、汗して困難を克服する善良な多くのベンチャー企業家たちの士気をそぐことになりはしないか心配だ。



hthwang@donga.com