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[オピニオン]円安を品質改善の好機に

Posted December. 21, 2001 10:30,   

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日本がここ10年間長期にわたる不況の停滞から免れずにいる。その原因について多様な診断を下すことができるだろうが、通貨と財政政策が効果を発揮せず、銀行の経営不良の程度は破産の危機に相当すると市場は評価している。米国が新経済の奇跡を積み上げる間、日本は経済成長が足踏みし、構造的な弊害をまったく治癒することができなかった。今年に入って、日本経済はマイナス成長を記録しており、失業率が急上昇し、日経株価は最高水準の25%を大幅に割り込み、12年前の水準に過ぎない。深刻なデフレーション(物価下落)が拡がりつつあり、消費心理は冷え込んでいる。1992年以降、これまで、63兆円の不良債権を整理したにもかかわらず、現在不良債権の規模は66兆円と推定されている。実際、金融界の純資本が14.5兆円に過ぎないということと比較すれば、最近国際信用格付け会社が日本の国家信用格付けを一斉に落としているのは当然の現象なのかも知れない。日本経済は当分回復の兆しが見られそうにない。

最近日本は国際資本の移動が自由な状況で、通貨信用政策の枠組みとして物価目標制を定着させようとしている。デフレに悩まされている日本経済を回復させるためには、一定水準の物価上昇率の目標を政策的に決め、これを達成するための通貨信用供給を調節する政策だ。だが、いくら通貨供給を増やし、利子を低くしても投資心理は回復できない、いわば流動性の罠に落ち込んでしまったのが日本の現状である。

こうした流動性の罠の下で、通貨信用政策は無用の長物に過ぎない。中央銀行に日本国債を購入させ、所期の成果を収めることができない場合、株式を含め不動産債など多様な実物資産と金融資産を買い入れて、インフレの期待心理を取り戻そうという主張が最近次第に説得力を得ている。もちろんこんな方式は公開市場操作を通じた伝統的な通貨信用政策とは多少違う、一時凌ぎのものだ。

日本の中央銀行が拡大信用政策を行う場合、究極的には円安に進むだろう。だが、中央銀行の最近の様子を見ると、事実上日本国債よりは米財務省の証券買い入れに熱を上げているようだ。米同時多発テロ事件以降、一時的にドル安の傾向を見せたが、日本は直ちに円安を進めるために為替市場に介入し、その結果外貨保有高が急速に増加し、11月現在中央銀行が保有している外貨保有高は4000億ドルを超えている。

実際、日本は自由変動為替レートを採択していながらも、財務省が外貨政策のすべての政策決定権を握って、為替市場に介入している。大半の日本の政策担当者は輸出だけが日本経済を回生できると信じているようだ。

では、円安を通じて日本経済は回復できるのだろうか。この質問に対して、一部の学者が賛同するが、円安が通貨信用政策の結果として現われるのではなく、為替市場の介入を通じて作られたものだとすれば、多くの問題点があると思う。

にもかからわず、世界市場が全般的に景気低迷の状況下で、日本だけが輸出を通じて経済を回復させようとする戦略は隣国を貧しくさせる政策であることは間違いない。韓国と違って、円安になると、他のアジア諸国の通貨も切り下げられる。円安になるや、韓国に流入していた外国人の株式投資資金が減少しはじめた。アジアの金融危機も相当部分、円安に起因する側面があった。円安は日本だけの問題ではなく、東アジアの金融危機の再発を引き起こす危険要素だと思われる。

日本円と韓国ウォンは、これまで強い同調性をみせてきたが、最近韓国の国家信用格付けが上向きに調整される傾向にあることを考慮すれば、円安が引き続き進んでも、ウォンが大幅に切り下げられる可能性はそう高くない。だとすれば、故意に円安を助長するために、政府が為替市場に介入することは賢明な処置とはいえない。韓国の輸出企業は当分、レートの不安定に備えて為替リスク管理に万全を期し、レートに頼るよりは品質改善とマーケッティング強化のような非価格競争力を高めるのに拍車を加えるべきだ。

王允鍾(ワン・ユンジョン)対外経済政策研究院国際マクロ金融室長