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[オピニオン]サンタクロースはどこに…

[オピニオン]サンタクロースはどこに…

Posted December. 26, 2001 09:54,   

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クリスマスを前にして、偶然にうちの子2人が話し合う内容を聞いた。12歳である上の子は、サンタクロースが今年も必ず訪れることを信じ込んで待っている様子だったが、かえって7歳に過ぎない下の子はそんな兄に対してこう言った。「わー、サンタクロースを信じるなんて、兄ちゃんはまだまだ子どもねー」そばで聞いていた私が下の子に、「何を言ってるの?サンタクロースは去年も家にやってきたんじゃない」と言ったら、それは幼稚園のドライバーおじさんが変装したのだという返事が返ってきた。多分、毎年枕元に置かれているプレゼントも誰が置いたのか、知っているはずだ。

この早熟なリアリストの前で、私は言葉を失った。もしかすると、上の子も知っていながらあまり残っていない自分の幼年を少しでも延ばそうという気持ちで知らん振りする老練さを見せたかも知れない。

オーストラリアのある小学校で、子どもたちに対してサンタクロースは存在しないと言った教師が、子供たちの夢を壊したという理由で解職されたという記事を読んだことがある。

そんな観点から見ると、韓国の親たちも、子どもたちの夢と神秘を守れなかった過失が大きい。しかし、サンタクロースを信じるか信じないかを基準に、子供たちの童心を判別することはできない。かえって、サンタクロースを盲信し、必死で信じさせようとするのは、書き入れ時を狙う商人たちなのかも知れない。

今年もサンタクロースを待っていた子供たちは、ハリー・ポーター・ゲーム機を、プエル人形を、ハムトリ・ハウスを、ダンレボ・ポムプをプレゼントにもらった。

しかし、サンタクロースは「もっと歳を取った子どもたち」にはあまり配慮しなかったようだ。今年の大学卒業生4人のうち3人が就職できないという統計を見ながら、彼らにも職場を与えてくれるサンタクロースはいないだろうかという思いをした。それほど、企業も政府も最近問題になっている青年の失業に対しては、これといった対策を打ち出せずにいる。

景気回復の兆しは見えず、残っている採用の機会も経歴社員を優先的に選抜するというから、新卒の人が割り込む隙はほとんど見えない。何回も履歴書を書いて何の応答ももらえないまま、ただ真っ暗な夜空だけを見上げていた彼らのクリスマスは、過去のどの年よりも憂うつだったに違いない。

なお、保育園や養老院にも後援する人たちが減っているという。私は、母が保育園の総務として勤めたので小さい時に社会福祉施設で多くの時間を過ごした。その時は、名節になると1日に何回も色々な団体から餅や果物、下着などを持ってくる人たちがいて、寒い庭に出て記念写真を撮るのが面倒に感じられるほどだった。

ところが、この頃はそんなに広告を兼ねてでも社会の日陰を訪れる人たちすらいないというから、みんな自分の生活を維持することで精いっぱいなようだ。

例年と違って、このようにクリスマス・シーズンが落ち込んでいるように思えるのは、我が社会の全般的な落ち込みを反映する現象だと考えられる。町角の飾りもそれほど華麗でなく、デパートの人波も例年水準ではないようだ。アメリカも9月11日の同時多発テロ以来、買い物の代わりに家で家族と一緒に静かなクリスマスを送る雰囲気だったという。一騒ぎの消費中心の祝祭で終わるよりは一層成熟した様子だと思われるが、心の余裕まで凍り付くのではないかいう気もする。自分がつらい時に、人の不幸に関心を注ぐのは易しいことではないだろうが、こんな時こそ、慰め合い、助け合う姿勢が必要なのではないか。

誰かの計算によると、世界でサンタクロースを待っている子供は1億6千万人を超えるという。実際にサンタクロースがいて、この子供たちの家に寄るためには、一家当り0.0007秒しか止まれないという計算になるが、特に韓国のように駐車難が深刻な国ではサンタクロースの運行もさらに遅延されるに違いない。だから、今年もサンタクロースを待つ子供たちの期待に応えるために、親たちが進んで「隠れているサンタクロース」の役割を果たしたのだろう。

しかし、自分の子だけのサンタクロースに止まらず、より多くの子供たちを考えるサンタクロースになることはできないだろうか。また、サンタクロースを待つふりをする利口な子供のみならず、これ以上サンタクロース待つこともできない、歳を取った子供たちにも嬉しい消息を伝えることはできないだろうか。

ナ・ヒドク朝鮮(チョソン)大教授(詩人)