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[社説]新駐日・駐ロ大使の内定、果たして「公正」な人事なのか

[社説]新駐日・駐ロ大使の内定、果たして「公正」な人事なのか

Posted December. 31, 2001 09:30,   

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日本とロシア駐在の大使を慣例的な任期が終わる前に早期交代させようとする政府の計画について、疑問が提起されている。周辺4カ国に対する韓国外交の両軸を担う駐日・駐ロ大使のポストは韓国外交の成敗を左右させると言っても過言ではないほど重要なポストであるため、とくに能力と経験豊かな人物を必要とする。日本の歴史教科書わい曲問題以来急激に悪化した韓日関係、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との南北関係が冷却期に入ったことでことさら重要になった韓ロ関係などを考慮すれば、いまはいつどの時よりも外交能力を備えた大使が必要だ。

こうした観点で、赴任してわずか2年足らずの崔相龍(チェ・サンリョン)駐日大使の後任に、民主党の趙世衡(チョ・セヒョン)常任顧問を内定した決定には納得し難い。政府は崔大使が赴任して以来、日本の歴史わい曲、在日韓国人の参政権拡大、在日韓国人の統合銀行の設立など主要懸案問題を円満に解決できなかったことを早期交代の理由に挙げている模様だ。

だが、政界の大物とは言っても、外交専門家とは言えない趙常任顧問が学界の代表的な日本通で通っている崔大使より順調な職務遂行をするとは期待し難い、というのが私たちの判断だ。政権与党の要職を経た趙常任顧問は、ワールドカップ組織委員会委員長をはじめ、さまざまなポストを担当するだろうという説が以前からささやかれてきた。このため今回の駐日大使の内定は、「ポスト作り」のレベルで進められたのではないか、という点で懸念せざるを得ない。

駐ロ大使の早期交代もハンナラ党の主張が事実ならば、情けない「報復人事」としか言いようがない。ハンナラ党は、李在春(イ・ジェチュン)大使が先月ロシアを訪問した李会昌(イ・フェチャン)総裁に見せた過渡の好意に対して報復人事を受けたのではないか、と疑っており、正常な人事ではないと主張している。

大統領は公館長が過ちを冒したり、責任を負えないとした場合、任期に関係なく更迭することができる。だが、他の公館長人事のついでに日本やロシアのような重要国家に駐在する大使に対して、ポスト作りもしくは報復性の人事をするとすれば、国民は受け入れることができない。

金大中(キム・デジュン)大統領は、地縁、学縁などの親疎関係や請託を排除し、能力、改革性、清廉度を基準にして公正な人事をせよと指示した。駐日・駐ロ大使の交代は、こうした大統領の公正な人事基準には合わない。大統領の「公正な人事」の指示をだれが信じるだろうか。言葉だけで行動に移さなければ信頼は崩れる。