ストライカー、オリサデベは、すでに世界的によく知られた選手だ。しかし、ワールドカップ(W杯)本大会が始まれば、世界のサッカーファンは、ポーランドに、オリサデベのほかにも「注目すべき選手」がいることに気付くだろう。
ポーランドサッカー代表チームのエンゲル監督(51)。彼は自分が率いる選手を自慢する時、すでに外国に知られているオリサデベ、ドゥデクなどを欠かさない。しかし、彼らのほかにも、エンゲル監督が「秘密がばれるのではないか」と慎重に口にする選手がポーランドの「秘密兵器」と言われている中央DF、ハイト(30・シャルケ04)である。
一般的に、ポーランドサッカーと言えば、オリサデベの華やかな得点場面をまず浮かべがちだが、事実、ポーランドは「守備のチーム」だ。W杯欧州予選10試合で、11ゴールしか許さなかった。さらに、この中で5ゴールは、本大会出場が事実上決まった最後の2試合で、気を緩めたせいで許したゴールだった。集中力で臨んだ最初の8試合では6ゴールしか許さなかった。
まさに、この「抜け目のない守備」の中心にハイトがいると言える。
「ポーランド代表チームからオリサデベをはずすと、戦力が水準以下になるとの評価を受けているが、これについてどう思うのか」という記者の質問に、エンゲル監督が意味深長な笑顔を浮かべて口に出した選手がハイトだった。
「ポーランド代表チームの攻撃の中心にオリサデベがいるとすれば、守備にはハイトがいる。ドイツプロサッカー、ブンデスリーガのシャルケ04の中央DFとして活躍しているハイトは、まずがっちりとした体格で相手の気をそぐ。
1m90cm、90kgの大きい体格は、ハイトの売り物とされる1対1の防御において、もっとも大きな武器となる。位値の選定能力が優れている上、しつこく相手のOFを付きまとう面もあり、相手にしにくいDFと言われている。ポーランドがW杯本大会で成功するかどうかはまさに、ハイトを中心にする守備にかかっているといっても過言ではない。
エンゲル監督がシャルケ04で活躍している中央DFのバウドフ、イングランド・プレミアリーグで実力を発揮しているGK、ドゥデクよりハイトをポーランド守備の中核に挙げていることには、それなりの理由がある。
ハイトは激しいプレーをする選手だ。ハイトには「イエロカードが付いてまわるDF」という好ましくない評判が付きまとう。実際に1998—1999シーズンに、ハイトは16回もブンデスリーガ1シーズン最多警告記録を立てたことがある。
ハイトはまた、ブンデスリーガでもっともボールを遠くまで投げる選手の一人に挙げられる。相手陣営のサイドラインで投げてゴールの近くまで飛んでいくハイトのスローインは、相当のセンタリングに劣らぬ威力を持つことで有名だ。ポーランド代表チームで、スローインを担当しているハイトは、35m程度を十分に投げることができると言う。
グラウンドでは「闘志」で通じるが、グラウンドを出ると、ハイトは「ベストドレッサー」に変身する。ハイトがブンデスリーガに進出した時、ファンは彼にファッションデザイナー、ジアニ・ベルサチェの名を取って「ジアニ」というニックネームを付けた。
W杯本大会の初の対戦国となるポーランドを迎える韓国のOFとっては、ハイトがもっとも厄介な存在で、真っ先に超えなければならない壁である。
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